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2-2 独立系石油・ガス生産会社
 
 このグループは石油またはガスを探鉱・生産し、その生産物を総合石油会社または独立系精製会社に売却する独立系石油・ガス生産者である。このグループの会社は本質的に販売する製品では差をつけることができず、探鉱・開発資金をどこに費やすかという投資判断と、価格競争力を維持するためのコスト管理で競争している。このグループの代表的8社を次に挙げる。
 
EOGリソーシス社(EOG Resources)
 同社は主に米国、カナダ、トリニダードの天然ガス、原油の探鉱、開発、生産、マーケティングを手掛けている。2001年12月31年現在、同社の保有する推定純確認埋蔵量は、天然ガス3兆8,000億cf(1076億m3)、原油、凝縮油、天然ガス液が7,200万バレル(972万石油換算トン)であった。EOGのマーケット・キャップは現在40億ドルである。2002年の探鉱・開発支出は6億ドルから7億5,000万ドルを予定されている。同社はテキサス州ヒューストンに本社を置く。
 
デヴォン・エネジー社(Devon Energy)
 同社は石油及びガスの探鉱・開発、石油・ガスの輸送、天然ガスの精製を行っている。デヴォン社は米国、カナダ西部、アゼルバイジャン、南米、東南アジア、西アフリカに陸上石油・ガス資産を保有している。同社はまたメキシコ湾にも相当量のオフショア資産を保有している。2002年年頭に、デヴォン社の推定確認埋蔵量は16億2,000万バレル(2億1,870万石油換算トン)であり、そのうち56%が天然ガス、残りの44%が石油及び天然ガス液であった。デヴォンは自社で生産したガスを、パイプライン会社、ユーティリティ(電力・ガス)会社、ガス販売会社、産業ユーザー、地方の分売会社といった多様な顧客に販売している。デヴォン社の原油の主な顧客は、精製会社、仲買会社、その他であり、その中には生産地所の近くにパイプラインを持つ会社も含まれている。2000年8月に、デヴォン社はこれも石油・ガス生産会社であるサンタフェ・スナイダー社と合併し、2002年1月に同社は、天然ガス及び天然ガス液の独立系生産会社であるミッチェル・エネジー&デベロップメント社を買収した。デヴォン社のマーケット・キャップは現在65億ドルである。2002年の資本支出は15億ドルを予定されている。同社は本社をオクラホマ・シティに置いている。
 
バーリントン・リソーシズ社(Burlington Resources)
 同社は原油、天然ガス液、天然ガスの探鉱、開発、生産、マーケティングを行っている。同社の事業の大部分は米国とカナダに焦点を合わせたものである。2001年にバーリントン社の米国生産量は天然ガスが日量11億cf(3115万m3)、天然ガス液が34,600バレル(4,671石油換算トン)、石油が44,000バレル(5,940トン)であった。これは同社の全世界の生産量の67%を占める。2002年年頭に、米国に同社が保有する確認埋蔵量は7兆7,000億cf(21億8,000万m3)相当であり、同社の全埋蔵量の66%を占めた。2001年のカナダにおける生産量はガスが日量4億3,300万cf(1226万m3)、天然ガス液が12,500バレル(約1,688石油換算トン)、石油が11,900バレル(1,607トン)であった。カナダにおいて同社が保有する確認埋蔵量は2002年年頭に2兆8,000万cf(792億9,000万m3)相当であり、同社の総保有埋蔵量の23%を占めた。マーケット・キャップは現在74億ドルである。2002年の資本支出は13億ドルが予定されている。同社は本社をテキサス州ヒューストンに置く。
 
アナダルコ・ペトロリウム社(Anadarko Petroleum)
 アナダルコ社は世界でも有数の独立系石油・ガス探鉱生産会社である。同社は生産する天然ガス、原油、天然ガス液を自社でマーケティングしている。同社はまた、第三者企業が生産した製品を買取り、マーケティングすることも行っている。2002年年頭に、同社は23億バレル(3億1,050万石油換算トン)の確認埋蔵量を保有しており、これは原油、凝縮油、天然ガス液11億バレル(1億4,850万石油換算トン)、天然ガス7兆立方フィート(1,982億m3)からなる。アナダルコ社の事業の大部分は米国内、特にテキサス州、ルイジアナ州、その他いくつかの西部州、アラスカの陸上油ガス田、メキシコ湾の浅水域、大水深域のオフショア油ガス田で行われている。同社はまた、カナダ、アルジェリア、ベネズエラ、カタール、オマーン、エジプト、オーストラリア、チュニジア、コンゴ、ガボンでも事業を展開している。アナダルコ社は米国の内陸中部に6つの大型ガス採取システムを所有、運営し、相当量のガスを生産している。アナダルコ社のマーケット・キャップは現在108億ドルである。2002年の資本支出額は20億ドルが予定されている。同社はテキサス州のヒューストン近郊にあるウッドランドに本社を置いている。
 
アパッチ社(Apache)
 同社は、天然ガス、原油、天然ガス液の探鉱、開発、生産を行っている。アパッチ社の北米事業はメキシコ湾、湾岸陸上、ペルム盆、アナダルコ盆、カナダの西部堆積盆の陸上油・ガス田を中心としている。北米以外では、オーストラリア西部、エジプト、アルゼンチンのオフショアの探鉱、生産事業、ポーランド及び中国オフショアの探鉱事業の権利を保有している。2001年末にアパッチ社の保有する推定確認埋蔵量は石油、凝縮油、天然ガス液5億9,900万バレル(約8,087万石油換算トン)、天然ガス4兆cf(1,133億m3)であった。合計すると、推定確認埋蔵量は石油換算で13億バレル(1億7,550万トン)に相当する。同社のマーケット・キャップは現在71億ドルである。2002年の資本支出額は5億9,000万ドルと推定されるが、同社は公式には資本投資計画を発表しない方針を採っている。同社は、この情報が明らかになると、掘削会社との交渉時に立場が弱くなると考えている。アパッチ社の本社はテキサス州ヒューストンにある。
 
パイオニア・ナチュラル・リソーシズ社(Pioneer Natural Resources)
 パイオニア社は石油、天然ガス液、ガスの探鉱、開発、生産を行っている。同社は、米国、アルゼンチン、カナダ、ガボン、南アフリカ、チュニジアの石油・ガス田に所有権を保有している。パイオニア社が保有する確認埋蔵量は2002年年頭に6億7,140万バレル(約9064万石油換算トン)であった。このうち石油または天然ガス液は3億2,500万バレル(約4,388万石油換算トン)、天然ガスが2兆1,000億cf(594億7,000万m3)であった。2001年の平均生産日量は石油換算で114,000バレル(15,390トン)である。同社は、生産物を総合石油・ガス会社、独立系精製所、その他の石油・ガス生産者に売却する。2001年に、同社の石油の主な顧客はエクソン・モービル社であり、天然ガス液はウィリアムズ・エネジー・サービシズ社、天然ガスはアナダルコ・ペトロリウム社が主な買手であった。各社がそれぞれパイオニアの生産量の約10%を購入した。同社のマーケット・キャップは現在28億ドル、2002年の資本支出予算は3億7,500万ドルである。同社はテキサス州アービングに本社を置く。
 
ノーブル・アフィリエーツ社(サメダン社)Noble AffiIiates(Samedan)
 100%子会社のサメダン社を通して、同社は石油、炭化水素ガスの探鉱、開発、生産を手掛けている同社は、メキシコ湾とカリフォルニア沖のオフショア及びルイジアナ、ニューメキシコ、テキサス、オクラホマ、カンサス南部、コロラド、モンタナ、ノース・ダコタ、ワイオミング、カリフォルニア州の陸上で探鉱、開発、生産事業を行っている。海外では、同社はアルゼンチン、中国、エクアドル、赤道ギニア、地中海、北海、ベトナムで事業を展開している。2002年年頭にノーブル社の保有する確認埋蔵量はガスが1兆2,000億cf(339億8,000万m3)、石油及び凝縮油が1,560億バレル(210億6,000万石油換算トン)であった。ノーブル社の現在のマーケット・キャップは5億2,000万ドルである。同社はテキサス州ヒューストンに本社を置く。
 
ニューフィールド・エクスプロレーション社(Newfield Exploration)
 同社は原油及び天然ガス資産の探鉱、開発、購入を手掛ける独立系石油・ガス会社である。ニューフィールド社の最初のターゲットはメキシコ湾であった。1990年代半ばに、同社は事業を米国のメキシコ湾岸陸上鉱脈、オクラホマのアナダルコ盆、オーストラリア北西部沖、中国沖のBohai湾に拡張し始めた。しかし、依然としてメキシコ湾が同社の事業の拠点であり、ニューフィールド社はメキシコ湾大水深域への進出を計画している。2001年末に、同社が保有する確認埋蔵量は9,364億cf(265億2,000万m3)相当であった。このうち77%が天然ガス、58%はメキシコ湾、39%が米国陸上、3%がオーストラリア沖であった。同社の天然ガス生産の大部分は、短期(12ヵ月未満)契約または30日スポットのガス購入契約で多様な買手に売却されている。石油販売契約は短期であり、公示価格に交渉によるボーナスを上乗せした価格に基づいたものである。ニューフィールド社のマーケット・キャップは現在14億ドルである。2002年の資本支出予算は3億6,000万ドルである。同社はテキサス州ヒューストンに本社を置く。







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