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2級舶用機関整備士指導書

 事業名 舶用機関整備士の資格検定事業
 団体名 日本舶用機関整備協会 注目度注目度5


6. 舶用機器に使用される材料
 舶用機器に使用される材料は、強度、耐摩耗性、耐熱性、耐腐食性、耐振動性等が要求されるばかりか、使用される場所によって材質の指定や材料検査を義務つけられたものが多くある。
 また、前に述べたようにSI単位の導入により、今まで使用されてきた材料を表示する記号も変わるものもでてきた。
 よって、ここでは各機器に使用される主な材料に就いて説明をする。
 
6.1 SI単位導入による材料記号の表示について
 従来は、丸材、角材や六角材等に通常使用されている一般構造用圧延鋼の材料記号は〔SS41〕と表示されていたが、最近では〔SS400〕となっている。同様に、シリンダヘッドやシリンダ等に使用されている鋳物の場合も〔FC15〕や〔FC25〕の表示が〔FC150〕や〔FC250〕となっている。
 また、みがき棒鋼を例にすると従来は丸材は〔SS41B−D〕、六角材は〔SGD41−D〕と分けていたものを、変更と同時に統一して〔SGD400D〕としたものもある。
 しかし、丸棒や軸として使用される機械構造用炭素鋼は従来のままで〔S35C〕や〔S45C〕で変わっていない。
 この理由は、例えば〔SS41〕の場合を説明すると、従来単位でこの材料の引張強さは41〜50kgf/mm2であったため、この最低引張強さの41kgf/mm2を表示していた。SI単位の導入により、1kgf/mm2は簡易換算で9.8N/mm2となるため、41kgf/mm2を換算すると41×9.8=401.8N/mm2となりこれを400に丸めて、記号が〔SS400〕と変わった。鋳物の場合も〔FC25〕は従来単位で最低引張強さが25kgf/mm2であるため、同様にSI単位では25×9.8=245N/mm2を250に丸め〔FC250〕とした。
 しかし、前述の材料記号の変わっていない〔S35C〕は、表示の35が引張強さでなくて、材料に含まれる炭素(元素記号:C)の量0.32〜0.38%から真ん中の0.35%を35として使用しているため、SI単位には関係なく従来のままである。
 又、SI単位に関係なく変わったものには、クロムモリブデン鋼〔SCM〕のように従来の材料記号が〔SCMI〕や〔SCM21〕のごとく、付加された数値は引張強さでなくその合金が開発された順序等で付けられていたものが、上述の炭素鋼等と表示を合わせるため〔SCM1〕は〔SCM432〕へ〔SCM21〕は〔SCM415〕と変わり、後の2桁の数値に炭素含有量の0.15%を15に、0.32%を32としてつけた。
 よって、材料記号にその材料の持っている引張強さを数値で適用している場合はその単位の表示方法に従って変わり、材料の含有量等を適用している場合は変わらないこととなる。
 
6.2 ディーゼルエンジンに使用される材料
 ディーゼルエンジンに使用される材料の主なものを1・11表に示す。
 
1・11表
部品名 材質 記事
ベッド 普通鋳鉄(FC200)、(FC250) 大形は溶接構造もある。
オイルパン 構造用圧延鋼(SS400)  
アルミ合金鋳物(AC4C)  
シリンダコラム 
(シリンダ、架構)
(FC200)、(FC250) 同上
シリンダライナ 特殊鋳鉄(耐摩耗性を有した) 例:ターカロイ
(FC250)、(FC300)  
(内面にクロムメッキやタフトライド) 耐摩耗性処理
シリンダヘッド (FC250)、(FC300)  
球状黒鉛鋳鉄(FCD450)、特殊鋳鉄  
 同上 ボルト 機械構造用炭素鋼(S35C)  
機械構造用合金鋼(SCM435)、(SNC631)  
クランク軸 炭素鋼鍛鋼(SF540A)、(SF590A) AとBは熱処理が、違う
〃(SF540B)、(SF590B)
〃(KSF60) SF90相当品 NKの場合の表示
〃(RSF60) 〃 KRの場合の表示
〃(焼入れ軸) (S40C)、(S48C)、(SCM440)、(SNCM630)  
軸系ボルト (SF540A)、(S35C)、(S45C)、(SF590A)  
支柱ボルト (SF540A)、(SF590A)、(S35C)、(S45C)  
主軸受ハウジング (FC250)、(FCD450)  
主軸受メタル裏金 (S10C)、(S15C) 低炭素鋼
主軸受メタル ホワイトメタル(WJ1)、(WJ2)、(WJH)  
ケルメットメタル(KJ3)、(KJ4) 焼入れ軸用
アルミニウムメタル(A40)
主軸受ボルト (S35C)、(S45C)、(SF450A)、(SF590A)、(SCM435)、(SNC631)  
主軸受冠 (FCD490)  
連接棒 (S48C)、(SF540A)、(SCM435)  
連接棒小端軸受 リン青銅(PBC2B)、(PBC3B)  
(ピストンピン側) 鉛青銅鋳物(LBC3)、(LBC4)  
(KJ3)(A40) 裏金を使用
クランクピンメタル 主軸受メタルと同じ  
同上裏金 主軸受メタル裏金と同じ  
クランクピンハウジング 連接棒と同じ 連接棒一体型
鋳鋼(SC410)、(SC460〉 独立型
(SF440A)、(SF540A)
同上ボルト (S45C)、(S48C)、(SCM435)、(SNCM631)、(SF540A) ロール材
ピストン(一体型) (FC250)、(FC300)、(FCD400)、(FCD450)  
アルミニウム合金鋳物  
(AC5A)、(AC8A)、(AC8B)、(AC9A)、(AC9B)  
ピストンヘッド (S40C)、(SCM435)、(SF540A)  
合金鋼鋳鋼(SCMnCr4)  
ピストンスカート 1体型ピストンと同じ  
同上組立ボルト (S48C〉、(SCNM435)、(SNC631)  
ピストンリング 特殊鋳鉄、特種鋼(表面処理必要)  
ピストンピン (S45C)、(S15CK)、(SNC415)、(SCM415)  
はずみ車 (FC200)、(FC250)、(FCD450A)、(SC410)、(S45C)  
吸排気弁棒 耐熱鋼(SUH3)、(SUH31) ステライト盛金
吸排気弁座 同上、(SCM415)、焼結合金(SCM435)
吸排気弁箱 (FC200)、(FC250)  
弁棒案内 (FC200)、特殊鋳鉄(FC300)  
弁腕(ロッカアーム) (FCD450A)、(SF440A)  
特殊鋳鉄、鋳鋼(SC410)  
弁ばね 炭素鋼オイルテンパ線(SWO-A,B)  
弁押し棒 炭素鋼鋼管(STPG370)、(STS370)  
押し棒金物 (S15CK)、(SCM415)  
タペット (S15CK)、特殊鋳鉄 パーカライジング
タペットローラ (SCM415)、(SNC815)  
カム軸 (SH440A)、(SF540A)、(S45C)、(S48C)  
(S48C)、(SCM415)、特殊鋳鉄 カム一体型
カム (S48C)、(SNC415)、(SCM415)、(S15CK)、(SNC815)  
カム軸受 (WJ1,2,3) 裏金使用
黄銅鋳物(BC3)、亜鉛系特殊鋳物 一体型
カム軸駆動歯車 (S45C)、(S48C) 歯面硬化処理
(SNC631)、(SCM415)、(SCM440) 素材熱処理
(SF540A)
カム室 (FC200)  
潤滑油ポンプ本体 (FC200)、(FC250)、(FCD450)  
 〃 歯車 (S40C)、(SF540A)、(SCM415〉  
冷却水ポンプ本体 (FC200)、(BC2)、(BC6)  
 〃 羽根車 (BC3)、高力黄銅鋳物(HBsCl)  
 〃 軸 ステンレス鋼(SUS304)  
燃料ポンプ本体 (FC250)、(FCD450)、(SF440A)  
プランジャ、バレル 高炭素クロム軸受鋼(SUJ3)、(SCM415)  
アルミニウムクロムモリブデン鋼  
(SACM645)  
燃料弁本体 (SF540A)、(S45C)  
ノズルチップ針弁 高速度工具鋼(SKH2)、(SKH51)  
燃料高圧管 高圧管用炭素鋼(STS370)  
機械式ガバナピン 合金工具鋼(SKS2)  
始動弁棒 (SUS304)、(SUH3)  
弁棒案内 (BC2)、黄銅棒(YBsB3)  
始動空気管 (STPG370)  
排気管 (FC200)、(SS400)、炭素鋼鋼管(SGP)  
 
6.3 その他の機器に使用される材料
 エンジン以外に使用される材料の一例を1・12表に示す。
 
1・12表
部品名 材質 記事
油冷却器管  銅合金管リン脱酸銅(C1201T)、(C1220T)  
復水器用黄銅(C6870T)、(C6971T)、(C6872T)  
油冷却器管板 銅合金板(C2801P)、(C4621P)  
始動空気槽 圧力容器用炭素鋼(SB410)  
プロペラ  アルミニウム青銅鋳物(CAC703)  
高力黄銅鋳物(CAC301)  
中間軸 (SF440A〜590A)  
プロペラ軸 (SF440A〜750A)、低合金鋼鍛鋼品  
高力黄銅棒、ネーバル黄銅棒  
アームズブロンズ、ステンレス鋼  
オーステナイト系SUS  
クラッチ摩擦板 ばね用りん青銅(P5210P)焼結合金  
過給機 タービン軸 (SNCM625)、特殊合金  
タービン翼 SUH4、インコネル713C、特殊合金  
羽根車 AC4C、AC5C、鍛造・焼結ジュラルミン  







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