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4.3 熱効率と機械効率
 機関の熱効率とは、仕事に変えられた熱量と機関に供給した総熱量の比で表される。供給熱量は燃料の燃焼により発生する熱量であり、普通は0℃において一定体積の下に燃焼した時の低位発熱量を用いる。
 
1)図示熱効率
 燃焼ガスがシリンダ内でピストン上面にする仕事を図示仕事(Wi)と言い、これに関する熱効率を図示熱効率(ηi)と言い、次式で表される。
 上式の3,600は1kW(1kJ/s)で1時間当たりの仕事を熱量に換算したもので、
1×60×60=3,600(kJ/kWh)
 
2)正味熱効率
 実際に機関から得られる有効仕事(We)は図示仕事(Wi)から各運動部分の摩擦や弁、ポンプその他装置を動かすに要する仕事を差し引いたものであり、これに関する熱効率を正味熱効率(ηe)と言い次式で表される。
 
3)機械効率
 正味熱効率はいくら良くても図示熱効率以上に良くすることは出来ない。また正味熱効率が悪い場合、図示熱効率が悪いのか、機械損失が多いのかを明らかにするため次式で定義する機械効率(ηm)を用いる。
 機械効率は主として機械内部の摩擦の多少に関係するもので、図示出力と軸出力との差は機械の摩擦や補助装置の運転に費やされるものでこれを摩擦出力(FkW)と云う。
摩擦出力(FkW)=図示出力(IkW)−軸出力(BkW)
 以上それぞれの効率の間には、次式で示す関係がある。
正味熱効率(ηe)=図示熱効率(ηi)×機械効率(ηm







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