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1級舶用機関整備士指導書

 事業名 舶用機関整備士の資格検定事業
 団体名 日本舶用機関整備協会 注目度注目度5


2. 分解整備要領
 分解整備に関する基本的な要領と一般的注意事項を次に示す。
 
2.1 分解、組立時の注意事項
1)整備前の注意事項
・作業開始前に機関の取扱説明書、整備解説書に十分目を通しておく。
・各機器の電源回路をすべて開とすること。
・機関が突然回り出すことのないよう、完全に処置する。
・重要なボルトナット、その他必要箇所に合いマークを付ける。
・分解した部品の整理台および場所を予め決めておく。
・必要な工具および部品、消耗品を用意する。
 
2)分解時の注意事項
・作業内容(工事計画)を全員に周知徹底するため、整備工事計画表を作業従事者に配布する。
・機関の分解にあたっては適正な工具を用いて正しい方法で分解を行う。
・分解した部品の整理を徹底する。
・分解の過程で当初予想されなかった異常箇所が発見された場合は、その状況を正確に記録し、ユーザとも相談の上、処置方針を決める。なお損傷部品は一時的に保管しておく
・必要に応じ分解直後の各部の状況、カーボンの付着状況を写真に撮る。
 
3)洗浄前の準備事項
・部品の洗浄には大きな工数を必要とするため、薬品、スチーム等を用いて省力化を図る必要がある。なお薬品の取扱にあたっては事前に説明書に十分目を通しておくこと。
・洗い皿、洗浄台等についても、事前に用意しておく必要がある。
 
4)組立時の注意事項
 取扱説明書または整備解説書の順序に従い、適正な工具を用い摺動部には潤滑油などを塗布しながら慎重に組み立てていくことが大切である。また、各作業工程の作業内容に間違いのないことを確認の上次の工程へ移るようにする。
・パッキン、Oリング等が適正なものであることを確認する。
・手袋、ウエス等は使用せず、ゴミを入れないよう細心の注意を払う。
・合いマーク通りに組み立てる。
・各ボルトナットの締め付けにあたってはメーカの指定したオイルまたは潤滑剤を塗布し、かじりを防ぎ規定通り締め付ける。またシリンダヘッド等の主要ボルトは片締めにならぬようメーカで指定された締め付け順序通り2、3回に分け徐々に締め付け、最後はトルクレンチを使用して、規定トルクで締め付けること。なお、締付角度、伸び又は圧力(油圧締めの場合)を計測して締め付ける等のメーカ指示のあるものは、それに従うこと。
・組立基準寸法、スキマ、バックラッシュ、タイミング等は必ず計測し記録しておく。
 
2.2 部品の点検、検査
 部品を修理するか交換するかの判断は整備基準(修理基準や使用限度等)に勘案して判断するが、不明な点についてはメーカに照会する。
 
1)目視点検
 一般的には、次の点に留意する必要がある。
(1)表面の状態
 ピストン摺動面の異常な摩耗、頂面およびリング溝等の亀裂、シリンダライナ内面の傷、軸受けのかじり、軸受けメタルやメッキの剥離溶損の有無等。
(2)破損の有無
 軸、歯車、ピストンリング、バネなどの折損、破損の有無。
(3)腐食の状態
 ライナ鍔部および外周、シリンダやシリンダヘッドの水ジャケット部、ポンプ部品等海水、清水にさらされる部品の腐食状態。また、排気弁のステム、水冷排気集合管及びタービンケースの内壁面等燃焼ガスによる腐食状態。
 
2)寸法計測
 重要な部品については、各部の主要寸法を計測し、整備基準に従って限度を超えたものは修正または交換する。機関を分解するごとに、各部の主要寸法を計測し記録しておくことにより、異常摩耗か否かを判断することができる。
 
3)亀裂の検査
 目視で発見できない傷や亀裂は、磁気探傷あるいはカラーチェック等の非破壊検査の方法を用いて調査する。
 
2.3 主要部品の使用限度に対する考え方と記録要領
 主要部品の使用限度については、これを越えて使うとトラブルにつながっていくと考え られる状態及び寸法であり、メーカにより、機種ごとに整備基準、修理基準あるいは使用限度基準として規定されている。
 整備士は、これらの基準に従い、整備時、修理時には、部品について修理するかまたは新品と交換するかを判断しなければならない。すなわち、部品の損傷、摩耗の程度を調査し、次回の整備(検査)までの使用条件や使用時間などを考慮して、その部品を交換すべきか否かを判断することになる。大事を取りすぎては整備費(修理費)が増加し、軽く考えては事故を招く恐れがあり、難しい判断が必要となる。このような判断が、舶用ディーゼル機関の整備にたずさわる者にとって、長い経験を必要とする重要なノウハウとなっている。従って、整備、修理時には主要部品については主要寸法を計測し、かつ、損耗状態とともに記録し、機関履歴簿として残して、常にデータに基づいて判断する習慣を身につけることがこれからの整備にとって重要である。
 シリンダライナとピストンの摩耗量と損耗状態の記録例を1・1図、1・2図に示す。
 
1・1図 シリンダライナの摩耗量と損耗状態の記録(例)
(拡大画面:44KB)
 
 
1・2図 ピストンの摩耗量と摩耗状態の記録(例)
(拡大画面:85KB)







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更新日: 2017年10月21日

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