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地場資源活用による過疎地域活性化に関する研究

 事業名 地場資源活用による過疎地域活性化に関する研究
 団体名 地方自治研究機構 注目度注目度5


2 特産品開発の全国的動向
(1)国内の特産品開発の動向
ア 地域産品の範囲
 国内各地域で生産される産品(以下、国内生産物という)は、地域産品、地場産品、地域物産などと呼称され(以下、地域産品という)、定番的な産品については特産品として取り扱われているが、これらに対する明確な定義はない。国内生産物の全てが国内いずれかの地域で生産されていることから、広義にはあらゆる国内生産物を地域産品に含めることが可能であり、自治体や地域によっては、大手メーカーの電化製品(テレビ、ビデオ等)や工業部品(半導体等)などを地域産品に含めているケースもある。
 しかし、社会一般的には国内生産品のうち、地域性・伝統性などの一定の要件を具備したものを地域産品と呼称している。代表的な地域産品である伝統的工芸品については、その保護と振興を目的に「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」(昭和49年5月25日、法律第57号)が制定されているが、同法における伝統的工業品の指定要件としては、(1)主として日常生活で使われるもの、(2)製造過程の主要部分が手作り、(3)伝統的技術または技法によって製造、(4)伝統的に使用されてきた原材料、(5)一定の地域で産地を形成の5つがあげられている。
 これらをまとめると、(1)生産物に係る原材料、製造法、製造者が一定の地域性・伝統性を確保していること(地域性・伝統性の確保)、(2)生産過程のほとんどに生産者が主体的・一元的に関与し、一般消費者の手に渡る最終品の段階において、生産者が品質と責任を確保できること(生産までの完結性の確保)などが求められている。これら2つの要件((1)地域性・伝統性の確保、(2)生産までの完結性の確保)から国内生産物をみたものが図表6−17である。
 国内生産物のうち、農産畜産海産物については、企画・製造・販売などの生産過程のほとんどを地域の農漁業生産者が一元的に担っているため、生産までの完結性が高い。しかし、生産者が市場性を重視した商品(=売れるモノ)を志向する場合は、必ずしも伝統性や地域性が重視されないため、地域性・伝統性が希薄な農産畜産海産物が生産される場合も少なくない(例えば、海外の導入野菜の生産など)。
 
図表6−17 国内生産品の分類
(拡大画面:143KB)
 
 これに対して、加工品(食品・工芸品等)については、原材料の生産者と加工業者とが異なる場合や生産過程に複数の生産者が関与することが多く、農産畜産海産物と比較すると生産の完結性は低くなる。地域性・伝統性については、伝統的工芸品(織物・漆器・陶磁器等)、ブランド型加工品(紀州産梅干等)、地域生産者による地域的加工品(田舎味噌、地酒等)など、地域性・伝統性が色濃い生産品がある一方で、大手生産者(大手メーカー)による地域的加工品(地域名を冠している生産品等)、日用型加工品(大量生産品、非ブランド品等)については、地域性・伝統性を確保していないものも多い。
 これらをみると、国内生産品のうち一定の地域性・伝統性を確保した生産品は「地域産品」として考えられる。また、地域産品のうち一定の品質などが確保された生産の完結性が高い産品については地域の「特産品」、「ブランド品」として考えることができる。
 
図表6−18 特産品のタイプ
区分 商品名
伝統工芸品 飛騨春慶塗、本場大島紬、都城大弓
ブランド型農産物 魚沼産コシヒカリ、寒河江産さくらんぼ
ブランド型加工品 紀州産梅干、京都産千枚漬
ブランド型鉱工業製品 燕の洋食器(フォーク・ナイフ)
 
イ 国内地域産品の動向
(1)国内地域産品の数
 昭和54年に大分県の平松知事は、地域を活性化する一つの道として、地域の顔となる、地域の誇りとなるものを掘り起こし、あるいはつくりだして、それを全国、世界に通用するものに育てていこうと一村一品運動を提唱した。こうした一村一品運動は、その後全国に拡大し、地域産品の掘り起こし・開発が全国で進められた。その結果、地域産品の数は、近年、飛躍的に増加してきている。大分県の場合、運動開始当初の昭和55年に特産品として指定された地域産品は143件であったが、平成13年現在では336件(農産品161、畜産品35、農畜産加工品35、水産品41、林産品28、工芸品・その他36)と2.3倍に増加している。 
 
図表6−19 大分県の特産品の販売及び品目数の推移
年度 昭和55
年度
昭和60
年度
平成2
年度
平成7
年度
平成9
年度
平成10
年度
平成11
年度
平成12
年度
平成13
年度
特産品指定品目数(件) 143 247 272 289 306 312 318 329 336
対昭和55年伸び率(%) 100 173 190 202 214 218 222 230 235
資料:大分県資料
 
 では、全国にどの程度の地域産品が生産されているかについては、詳細な数値は不明であるが、市町村が設置する物産店(道の駅、農産物等直売所)においては、1店舗当たり80〜100品ほどの地域産品が展示・販売されていることから、仮に1市町村当たり50品を確保していると考えると、全国では約16万の地域産品が産出されていることになる。
 地域産品の中に一定の品質を確保した「特産品」がどの程度含まれるのかも明らかではないが、先にみた大分県の特産品の指定状況(大分県では特産品を「地域の文化と香りを保ちながら、全国、世界に通用する「モノ」」としていることから、単なる地域産品ではなく、一定の地域性・伝統性、完結性(品質等)を確保したものとなっている。)を参考にすると、一村一品運動がスタートした当初の昭和55年当時1市町村当たり2.5品、運動から20以上経過した平成13年現在1市町村当たり5.8品の特産品を有している。仮に全国の市町村が1市町村当たり3品の特産品を確保していると考えた場合、現在全国には9,000以上の特産品があることになる。
 
図表6−20 国内の地域産品数の推計方法
(1)1市町村当たりの地域産品数50品(道の駅等の取り扱いアイテム数は80〜100品)
(2)1市町村当たりの特産品数3品(大分県の場合、1市町村当たり5.8品)
(3)全国の市町村数3,241(平成14年4月現在)
 
地域産品 (1)×(3)=約16万品
特産品 (2)×(3)=約9,000品
 
大分県では特産品を“地域の文化と香りを保ちながら、全国、世界に通用する「モノ」”としていることから、単なる地域産品ではなく、一定の地域性・伝統性、完結性(品質等)を確保したものとなっている。
  
 
(2)国内地域産品の種類
 (財)都市農山漁村交流活性化機構では、全国の地域産品を収集し、「ふるさと情報データベース」として一般に公開している(http://www.kouryu.or.jp/)。ここに収録されている地域産品は、平成14年8月現在、約3,800品あるが、その内訳は食品が82.1%、非食品が17.9%となっており、食品の占める割合が高くなっている。細目の内訳をみると、食品のうち最も多いのは加工食品で地域産品全体の34.4%を占めている。次いで海産物・海産物加工品(10.4%)、果実(9.8%)酒類・天然水(8.9%)が続いている。非食品については民芸品・工芸品が11.0%、その他の産品が6.9%となっている。
 
図表6−21 食品・非食品別にみた国内地域産品の割合
資料:
(財)都市農山漁村交流活性化機構「ふるさと情報データベース」に収録のデータの集計結果を基に作成。
 
 個別の産品の種類別にみると、食品については和菓子が食品全体の5.1%を占め最も高く、以下、第2位・漬物(4.9%)、第3位・清酒・地酒(4.3%)、第4位・味噌(3.2%)、第5位・ワイン・ビール(3.2%)となっている。本村の特産品である椎茸についても1.9%と第11位にランクされている。
 非食品については、陶器・磁器・ガラス器が非食品全体の13.0%を占め最も多く、以下、第2位・木工品(12.4%)、第3位・花・樹木・園芸用品(10.0%)となっている。本村の代表的な地域産品である木材は第14位となっており、食品と比較すると国内に競争・競合相手は少なくなっている。
 
図表6−22 種類別にみた国内地域産品の割合
(拡大画面:49KB)
資料:
(財)都市農山漁村交流活性化機構「ふるさと情報データベース」に収録のデータの集計結果を基に作成。
 
図表6−23 個別産品別にみた地域産品の割合
(1)食品
ランキング 産品の種類 食品に占める割合 全国の産品数(推計値)
1 和菓子 5.1 6,642
2 漬物 4.9 6,388
3 清酒・地酒 4.3 5,627
4 味噌 3.2 4,231
4 ワイン・ビール 3.2 4,231
6 ジュース・ドリンク類 3.1 4,104
7 そば 2.6 3,469
7 ハム等畜産加工品 2.6 3,384
9 土物類 2.2 2,834
10 2.1 2,750
11 果菜類 2.0 2,581
12 しいたけ 1.9 2,538
13 柿・干し柿 1.8 2,327
14 葉茎菜類 1.7 2,285
14 日本茶 1.7 2,285
14 冷食 1.7 2,285
14 ジャム・フルーツソース類 1.7 2,242
14 牛乳・チーズ・バター 1.7 2,242
19 うどん 1.5 2,031
19 天然水 1.5 2,031
19 その他の茶 1.5 1,988
19 1.5 1,946
 
(2)非食品
ランキング 産品の種類 非食品に占める割合 全国の産品数(推計値)
1 陶器・磁器・ガラス器 13.0 3,770
2 木工品 12.4 3,599
3 花・樹木・園芸用品 10.0 2,914
4 織物 6.5 1,885
5 竹細工・わら細工・つる細工 6.2 1,800
6 和紙 4.9 1,414
6 バス・ボディケア用品 4.9 1,414
8 漆製品 3.8 1,114
9 炭・燃料 3.7 1,071
10 家具・建具 3.4 985
11 石材・鉱物 2.5 728
12 宝石・アクセサリー 2.2 643
12 文具・玩具・楽器 2.2 643
14 木材 1.9 557
14 日用雑貨品 1.9 557
15 刃物・鋳物 1.8 514
資料:
(財)都市農山漁村交流活性化機構「ふるさと情報データベース」に収録のデータの集計結果を基に作成。







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更新日: 2019年7月20日

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