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(2)プラチナプラザ事業(滋賀県長浜市)
■事業の概要
所在地 滋賀県長浜市
設 立 平成9年10月(営業開始)
基本理念 (1)作る(造る、創る)、(2)支え合う、(3)楽しむ
活動方針 (1)世代交流ができる、(2)自主活動ができる、(3)利益を生み、還元できる、(4)継続できる
事業内容 「北近江秀吉博覧会」で生まれた市民ネットワークを活かすために設立された任意団体「まちづくり役場」の1事業である。(1)野菜工房、(2)おかず工房、(3)リサイクル工房、(4)井戸端道場の4工房が独立採算的に行われている。
従業員数 約24名(実働会員)
 
(1)設立の経緯
母体は、平成8年4月7日から11月30日まで開催された「北近江秀吉博覧会」で活躍した126人の「55歳以上の男女」(シルバーコンパニオン)である。
スタッフの生きがいの場として、また、意欲的な高齢者が活動できる場を創設するため、平成8年度に「プラチナプラザプロジェクトチーム」が誕生し、空き家を活用した店舗経営プランを策定した。
空き家が最も多い長浜市元浜町の「ゆう壱番街商店街」に店舗を設立した。
設立にあたっては、参加者に経営者の形を取ってもらった(1人あたり5万円の出資)。また、55歳以上で趣旨に賛同し出資ができる人、博覧会の関係者で応援部隊となる経営会員を募り、個人1万円、企業10万円の出資を受けた。
店舗を開設する際の改築費用(約2,000万円)の一部に、商店街を窓口として、滋賀県の空き店舗補助、長浜市のバックアップを受けた。
 
(2)各事業の概要
以下の4つの工房が経営されている。
各工房で独立採算制をとっているため、工房それぞれで得られた利益を、投入された労働時間で按分して時給を決めている。現在の平均的な時給は400円から450円程度である。
「北近江秀吉博覧会」のシルバーコンパニオン同様に時給の上限を650円としており、これを超える利益は、余剰金としてプールし、備品の購入や会員の交流などに使用している。
当初の会員は40名、現在運営委員は35名(出資のみの会員も含む)で、実働会員は24名程度である。
実働会員は、抜ける人が出たら入れる程度なので現在募集は行っていない。そのつど直接声をかけて人を探している。
実働会員は、長くて週4日、短くて週2日程度、働いている。
実働会員は、社会との接点を見つけられた喜びと「自分たちは経営者、地域のために元気でがんばろう」と生涯現役でいることが、生きがいにつながっている。
事務局(まちづくり役場)は工房の経理関係の他、会員が活動するために必要な資格などの取得に協力するなどのケアを行なっている。
 
プラチナプラザの4工房
工房名 事業内容
野菜工房 40軒の契約農家と提携し、その日の早朝に集荷した野菜や花を販売する。また、市内の農業高校の生徒がつくったケチャップやジュースなども販売している。
おかず工房 おひたし、煮物、揚げ物など手作りのお総菜を販売する。お店の中でも食べてもらえるよう椅子席が設けられている。
リサイクル工房 年会費1200円で募集した会員の提供品を3ヶ月間預かって販売する。衣料品、家具、食器が多い。また、会員に大工さんがいることから、家の修理も請け負う。
井戸端道場 交流の場と情報を提供する喫茶店で、コーヒー、紅茶のほか、カレーや丼ものを提供している。
 
(3)効果・今後の展開
定年後の雇用を生み、実働会員の生き方が地域で働く若い人たちの手本となっている。
新しい事業を立ち上げるための資金不足が課題である。







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