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7. 地域展開の課題と対策
7−1. 展開のポイント
 本講座を実施した結果、高齢者の「転倒・寝たきり予防プログラム」を地域に展開していく際に考えられる幾つかの課題と対策を、以下にまとめた。
 
7−1−1. 本プログラム対象者への理解
■事業の意義
・地域の健康増進事業としての取り組み
・高齢者の寝たきり予防としての運動の提供
・高齢者が実感をともなう動機付け、継続性の確保
 
■B&G地域海洋センター会員との相違
・身体活動の重要性を知らない高齢者の掘り起こし
・健康を提供する手段としての運動の位置づけ
・仲間づくりをより意識した教室の提供
・継続性の確保のため、楽しさ・遊びをより一層重視
 
■展開地域(自治体)における把握すべき高齢者事情
・高齢者数・人口比率
・高齢者対策の現状
・健康づくり対策の現状
・高齢者対策・健康づくり対策の中でB&G地域海洋センターに求められていること
 
7−1−2. 保健師との協力
■自治体における把握すべき保健師の役
・保健師の地域における位置づけ
・全体的な保健師の数と比率
・保健師が活躍している自治体からの情報
・福祉活動、衛生活動、健康づくり事業の現状
 
保健師による栄養指導
 
■本事業で保健師に求める役割
・対象者へのきっかけづくり・掘り起こし
・対象者に対する説得性の向上(保健師の専門知識による対象者との信頼関係の構築)
・参加者の活動支援(継続性を確保するためのフォロー、グループ・仲間づくり等)
・地域への事業の定着化支援
 
7−1−3. 行政関係者との協力
■保健福祉課との連携
・保健福祉課において理解度の高い(柔軟な)アプローチ先は誰かを確認
・保健福祉課の現在の重点施策(本プログラムとの合致点)を確認
 
■教育委員会との連携
・教育委員会において理解度の高い(柔軟な)アプローチ先は誰かを確認
・教育委員会の現在の重点施策(本プログラムとの合致点)を確認
・教育委員会が高齢者対策に示す理解はあるのかを確認
 
■教育委員会と保健福祉課の関わり方
・教育委員会やB&G地域海洋センターと保健福祉課との繋がりを確認
・本プログラムが高齢者に与える身体的・精神的影響が、保健福祉課が求めるものに類似している点を説明
・栄養指導等の分野において保健福祉課に協力を求める等、役割分担の明確化
・高齢者の立場からみた、教育委員会と保健福祉課の連携の相乗効果への理解の促進
 
7−1−4. 首長との協力
■首長の役割
・保健福祉課と教育委員会の連携
・本事業運営担当者への意識付け
・高齢者の信頼性の担保
 
■首長との連携法
・B&G財団が開催する市長会議、教育長会議等の際にPR活動を実施
・競艇施行者の首長へのPR活動を行い、周辺自治体を含めた周知活動を実施
・首長がめざす地域づくりと本プログラムとの合致点を確認
 
7−1−5. B&G地域海洋センターの位置づけ
■本プログラム展開におけるB&G地域海洋センターの強み
・B&G地域海洋センター(480センター)のネットワークの活用が可能
・B&Gインストラクターの活用による指導者の確保が容易
・B&G財団による研修機会の提供が可能
・B&G財団保有の他のプログラム(キッズプログラム、水辺プログラム等)の活用による、活動の多様性・選択性の確保が可能
・B&G地域海洋センター会員との世代間交流イベント等による活動の多様性
 
■B&G地域海洋センターにおける本プログラムの位置づけ
・過疎化、高齢化への対応(B&G地域海洋センター所在地ではこの傾向が顕著)
・近隣自治体の体育施設との差別化
・市町村合併後の施設有効活用策
・利用率向上策としての本プログラムの開催
・第二体育館(昭和58年度第10期以降建設の体育館に併設されている、主に武道場として利用されるスペース)の平日日中の有効活用
・保健福祉課等とのタイアップによる相乗効果の提示
 
7−1−6.周辺地域への根付かせ
■B&G地域海洋センター以外での本プログラムの提供
・B&G地域海洋センターのない自治体の高齢者プログラムに対するニーズを把握し、適格に対応
・人が集まりやすい場所(施設)を探り、本プログラムを展開する方法を模索
・B&G地域海洋センターにおける人集めの工夫を集約し、B&G地域海洋センターのない自治体に応用
・B&G地域海洋センターのない自治体と、近隣センターとの連携方法を模索
・市町村合併を視野に入れ、B&G地域海洋センターの優位性を強調しながら、センターのなかった自治体にアピール
 
■出前講座の提供
・参加者を集めるのではなく、対象者が集まっている所に出向いて本プログラムを実施することでB&G財団の認知度(信頼性)を高める
・想定される出前先の対象者や会場のパターンを整理する
 
■B&G財団の関連団体であるゲートボール組織・会員との協力
・地域におけるゲートボールの規模(会員数・審判員数等)を把握
・ゲートボール組織との連携の有用性・活用法を模索
※新潟県ゲートボール連盟「平成14年度普及委員研修会」にて本プログラムの一日体験講座を実施(巻末の資料II−II参照
・各地域のゲートボール会員を活用するための窓口となる人間を把握
・ゲートボール組織との相互の協力体制を構築
・ゲートボールのコート(「すぱ一く」等の屋内や屋外)にあった本プログラムの展開(出前)方法の模索
 
■チャレンジデー実施自治体との協力
・B&G財団の関連団体であるSSF笹川スポーツ財団が毎年5月最終水曜日に実施するチャレンジデー(自治体間イベント)で本プログラムを実施
・チャレンジデーの事前・事後のワークショップで「健脚度」の体験講座を実施
・B&G地域海洋センターの所在するチャレンジデー実施自治体に対して、普及・展開
・B&G地域海洋センターの所在するチャレンジデー実施自治体への普及・展開後、B&G地域海洋センターを持たないチャレンジデーの実施自治体に普及・展開
・将来的には「健脚度」をチャレンジデーの共通実施種目に位置づけ、チャレンジデーの実施自治体全てで必ず実施
・チャレンジデーのマスコミ効果を有効活用
 
■B&Gインストラクターがいない地域での展開
・B&Gインストラクターが指導ノウハウを他の自治体に披露する意義を確認
・実際に他の自治体に指導ノウハウを披露することができる方法を確立
・その披露をきっかけとして深められる自治体同士の連携内容を整理
・現在3,000ある市町村は、合併後1,000程度(480センターの2倍程度の数)になる見込み。「1市町村1B&Gインストラクター」となるような指導者養成を行い、各市町村の社会福祉協議会(「すぱーく」所有者の所もある)等に派遣







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