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3.測定および問診結果の概要
3−1. 初期調査の結果
 初期調査の結果から、運動実施前の段階で、『トレーニング群は、非トレーニング群よりも明らかに身長が低くて体脂肪率が高く、また移動能力(健脚度)がどちらかというと低い人たちであること』がわかった。
具体的には、本講座実施前のトレーニング群と非トレーニング群の「健脚度」と「メディカル面」の結果を比較したところ、「メディカル面」では身長と体脂肪率、「健脚度」では10m全力歩行と最大一歩幅において明らかな差がみられた。
 
※表3-1  初期調査の結果:メディカル面(身体特性・血液性状)・健脚度
項目 トレーニング群 非トレーニング群 有意確率(P)※3
メディカル面 標本数(人) 11 10
年齢(歳) 69.2±3.9 68.1±4.2 0,550
身長(cm) 152.0±11 160.4±6 0,046※※
体重(kg) 63.5±8.5 63.9±11 0,938
BMI 27.6±3.9 24.8±3.9 0,116
体脂肪率(%)※1 33.1±9.5 26.6±6.4 0,085※
骨密度※2 1493.8±15.3 1490.9±9.5 0,624
中性脂肪 167.3±134.6 125.9±54.2 0,376
総コレステロール(mg/dl) 223.7±24.1 212.8±32.5 0,398
HDL(善玉)コレステロール 56.6±15.9 55.0±13.6 0,803
LDL(悪玉)コレステロール 141±20 133.2±30 0,516
尿酸(mg/dl) 5.49±1.4 4.81±0.55 0,200
健脚度 10m全力歩行(秒) 5.05±0.8 4.28±0.7 0,037※※
最大一歩幅(cm) 102.5±14.9 115.5±14.7 0.076※
踏台昇降(40cm) 1
5点 81.8%(n=9) 87.5%(n=7)
4点 18.2%(n=2) 12.5%(n=1)
つぎ足歩行 0,485
3歩 9.1%(n=1)
6歩 9.1%(n=1)
10歩 81.8%(n=9) 100.0%(n=8)
※1: タニタ製メタボディ(BM−002)使用
※2: エルク製超音波骨密度測定装置(CM−100)使用
※3: 有意確率(P)とは、平均値の差が偶然の差によるものか、母集団の明らかな違いによるものかを統計的に検定した結果の確率である。偶然ではないと考える場合の水準(有意水準)は、一般的に5%と1%が用いられる。有意水準を5%(0.05)に設定した場合、得られた有意確率(P)が5%よりも低い場合(P<0.05)は、平均値の差は偶然の差ではなく、母集団の明らかな違いによるものと理解できる。なお、本講座の初期調査では、5%(※※:P<0.05)と9%(※:P<0.09)の有意水準を用いた。
 
3−2.参加率
 トレーニング群11名の本講座の参加率は、表3−2のとおりであった。
 
表3−2. 参加率:トレーニング群(11名)
内容 回数 日付 参加率 内容 回数 日付 参加率
事前調査 健診 9月3日(火) 0.91 事前調査 健脚度 9月9日(月) 1
運動講座 1回 9月10日(火) 0.91 運動講座 2回 9月13日(金) 0.91
  3回 9月17日(火) 0.82   4回 9月20日(金) 0.91
  5回 9月24日(火) 0.91   6回 9月27日(金) 0.82
  7回 10月1日(火) 1   8回 10月4日(金) 0.82
  9回 10月8日(火) 0.55   10回 10月11日(金) 0.72
  11回 10月15日(火) 1   12回 10月18日(金) 0.91
  13回 10月22日(火) 0.91   14回 10月25日(金) 0.91
  15回 10月29日(火) 0.91   16回 11月1日(金) 0.91
  17回 11月5日(火) 0.64   18回 11月8日(金) 0.82
  19回 11月12日(火) 1   20回 11月15日(金) 0.91
  21回 11月19日(火) 0.91   22回 11月22日(金) 1
  23回 11月26日(火) 0.82   24回 11月29日(金) 1
最終調査 健診 12月3日(火) 1 最終調査 健脚度 12月9日(月) 1
 
オリエンテーション
上岡氏(身体教育医学研究所)による講義
 
ボディーじゃんけん
 
ストレッチ
 
 本講座実施前後のトレーニング群と非トレーニング群の健脚度、心理面、メディカル面の結果を比較した結果、5%の有意水準で明らかな差がみられたものを中心に報告する。







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