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四 『日本の対応』
 
 そういう中で、今回アメリカに対して、イギリスは非常にうまいことやったと思うのです。ブレアは何となく賛成だという言い方をしていて、議会はワアワア言って、要するに反対だ、正当な理由がないではないか。ところが日本の場合は、小泉さんは何を思ったのか、非常に早い段階で賛成だという言い方をしてしまっています。この前の七月に回ったときに、アラブの皆さんに、おまえの国も大変だよな、しようがないよなと慰めてくれました。つまり、日本には外交がないからね、アメリカにイエスと言わざるを得ないんだよねというふうな言い方だったと思います。私は日本のアメリカ支持が余りにも早かったのではないかと思います。そして場合によっては戦術核が使われ、場合によってはバクダッドが広島と同じような状況になるということが十分に想像できるわけです。それを我々日本人が放置していいのであろうかと疑問に思います。
 アラブの大衆やアラブの多くの国々は、アメリカの暴虐なというか、いわゆる覇権的な行為に対して非常に不満を抱いています。そういう中で、軽々にアメリカを支持するということが果たして正解なのか。あるいは、我々はアラブやイスラムを敵としていっていいのかなという気がします。
 そういったアラブやイスラム世界の不満を、我々日本が何らかの形で解消してあげるべきではないか。あるいはサポートをするべきではないか。私は最近、アラブを回ったときにも言ったのですが、イスラム文明をもう一回復興しようよというふうな言い方をしてきました。そのイスラム文明については後日に回したいと思います。
 ご清聴ありがとうございました。







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