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5.1.2.5 基本構造の決定
 これらの検討を行った結果のいかだ艤装用SARTの外観は、図5.1.2−3〜図5.1.2−5に示すとおりである。
 
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図5.1.2−3 円偏波SART外観図
 
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図5.1.2−4 水平偏波SART外観図
 
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図5.1.2−5 電源部(スイッチ付)外観図
 
 試作にあたってケースの材料について検討したが、耐衝撃性を求められることから、従来からSARTに使用して実績のあるポリカーボネイトを使用することとした。
 円偏波アンテナ形状は棒状であり、アンテナドームはアンテナの形状に合わせて細く(φ30mm程度)することは可能であったが、水面落下の際の衝撃を考えた場合、アンテナが受ける衝撃の値が不明なことから、耐衝撃性に実績のある現行機の水平偏波SARTと同じ太さ(φ38mm)にした。
 今回、いかだに装備し投下試験を行った円偏波SART及び水平偏波SARTの構造は、図5.1.3−1〜5.1.3−2のとおりである。
 
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図5.1.3−1 円偏波SART構造図
 
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図5.1.3−2 水平偏波SART構造図
 
5.1.4.1 投下試験の実施
 2型式の各自動復原膨脹式救命いかだに、試作された水平偏波SART及び円偏波SARTを取り付け、高さ24mから水面に投下した後、損傷等の有無を調べる。
 投下試験は、SART本体に加速度ピックアップを、またいかだ各部に簡易衝撃センサーを取り付けて、概略の加速度レベルを測定するものとし、次により各SART毎に2回づつ、合計4回実施する。
 
(1)SARTを艤装する救命いかだ
 自動復原膨脹式救命いかだ(FRN−R25型) 1台
 自動復原膨脹式救命いかだ(TRS−25SR型) 1台
 F社製救命いかだ(FRN−R25型)へのSART取り付け状態を図5.1.4−1に、また、T社製救命いかだ(TRS−25SR型)へのSART取り付け状態を図5.1.4−2及び写真5.1.4−1に示す。
 
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図5.1.4−1 SART取り付け状態図(F社)
 
 
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図5.1.4−2 SART取り付け状態図(T社)
 
 
写真5.1.4−1 膨張したいかだに取り付けたSARTアンテナ
 
(2)試験方法
 SARTを取り付けた救命いかだを従来の折り畳み方法でコンテナに収納した後、クレーン等でつり上げ、高さ24mから水面に投下する。
 投下後、膨脹させないでコンテナのままで水面に30分間浮かべ、その後、作動索を引いて水面で膨脹させ、救命いかだの膨脹状態、SARTの自動作動状態、キャノピー灯の作動状態等を調査する。
 試験後、救命いかだを水面から陸上に回収して、SART及びいかだ各部の損傷等について異状の有無を調べる。
 
(3)測定方法
 3軸(X.Y.Z方向)圧電型加速度センサーをSART本体中央部付近に固定ジグを用いて取り付け、約50mの延長コードにより陸上の加速度アンプに接続し、各水面落下時にSART本体に加わる衝撃力を1msのサンプリング速度で測定する。
 また、救命いかだの各天幕支柱頂部、SARTの近辺及びSART電源部の近辺等に、感圧紙式の簡易ショックセンサー(1軸型)を防水ケースに入れた状態で、方向を変えて粘着テープでゴム気室に貼り付け、各水面落下時の内部の衝撃力を測定する。(簡易ショックセンサーの取り付け位置を図5.1.4−3に示す。)
 
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図5.1.4−3 簡易ショックセンサー取付け位置(F社いかだ)







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