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8−3 社会環境の変化に対応した公共交通のあり方
(1)環境問題への対応
【現状の社会環境】
 自動車交通は、経済成長とともに急激な増加を示してきた。このことにより、慢性的な交通渋滞や事故を引き起こし、社会的にも大きな損失となって顕れてきた。
 一方、公共交通利用者は、経済成長とともに増加を示したものの自動車交通より低い伸びとなっている。また、近年ではバス利用者の著しい減少の中で公共交通全体も減少傾向を示している。
 
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注) 域内総生産は名目値、公共交通(鉄軌道、バス)
図 8−3−1   経済と交通需要(S60=100)
資料:都市交通年報、県民経済計算年報及び長期遡及推計県民経済計算報告
 
 自動車保有についても、昭和55年では保有していない世帯が半数を占めていたが、その割合は年々減少し、今日では約30%に減少する中で、2台以上保有している世帯が大きく増加している。
 
図 8−3−2   保有台数別世帯数の推移
資料:第2回〜4回京阪神都市圏パーソントリップ調査
 
【需要予測結果】
 常住人口の増加が予測されている滋賀県域や阪神内陸等都市周辺エリアを中心として、自動車利用の増加が見込まれている。
 一方、バスについては、ほとんどのエリアにおいて大幅な減少を示し、また、鉄道は路線整備が進められている京都市や大阪市において若干の増加がみられるものの、その他のエリアでは減少傾向を示すこととなる。
 
 
【交通計画の方向】
自動車交通の多い市街地エリアにおいては、費用対効果、収支採算性等を考慮しつつ、バスサービスに代替しうる鉄軌道系交通機関整備の検討
→例えば、京都市域及び尼崎市域LRT構想 等
公共交通のシームレス化を図るための鉄道とバス間の乗り継ぎ運賃制度の導入、共通カード化の検討
相対的に自家用自動車保有率の高い郊外エリアでは、駅隣接地における駐車場及び専用通路設置の検討
円滑なバス運行を確保するための立体交差化の検討
鉄道、バスに関わる運行状況・運賃・所要時間等効率的な移動を確保するための適切な情報提供の検討
 
 
【参考】環境問題に配慮した公共交通のあり方
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