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分科会C 成長するボランティア〜傷つきやすさをサポートする〜
ボランティアとは、他者と喜びや哀しみ、痛みを分かち合い、ともに傷つく受苦的な存在である。そして、他者の痛みに敏感であるほど、他者に深く共感し、自分自身の行為や存在の意味を問いつづけることになる。このような内面の葛藤は人間に何をもたらすのか、そして、その苦悩と成長をどう支えることができるかを考える。
 下沢 嶽  シャプラニール=市民による海外協力の会事務局長
 
進行  
 播磨 靖夫  財団法人たんぽぽの家理事長
下沢 嶽 シャプラニール=市民による海外協力の会 事務局長
 
しもさわ・たかし 日本青年奉仕協会、世田谷ボランティア協会の職員等を経て、1988年よりシャプラニールのダッカ事務局長としてバングラデシュの農村開発プロジェクトを実施運営する。93年に帰国後、シャプラニール東京事務所で活動、98年7月より現職。
 
・弱者は昔からいたが、なぜ今ボランティアがこれほど大衆化したのか
・自分のボランティア歴を振り返ると、自分がしっかりしていて、強かったという記憶はなく、迷える優柔不断な人間だった
・強い人がボランティアするのではない。ボランティアは弱い人がいるからするのではなく、ボランティア的関係を求める私たちがまずいる
・社会的に弱い人を意識することで、「必要とされる自分」を直感するのではないか
・一部の能力、契約的関係で必要とされるのでなく、「本当に他者から必要とされたい」という欲求、効率ではからない社会関係の欲求
・ボランティアにかかわるとは、その疎外されている自分を取り戻すこと。全人格的な自分の復活の道を歩き始めること。自己発見のはじまりである
・この気づきのプロセスに入ると、一人一人は非常に強いエネルギーを出す
・ボランティアにかかわる人は、このプロセスを力づける(Empower)する役割ではないか
・ボランティアに効率性、社会に役立つ存在というものさしだけではかっていいのか
・社会的に弱い人が起点になって始まる人間関係を、より共感のネットワークしていくことが重要
播磨 靖夫 財団法人たんぽぽの家理事長
 
はりま・やすお 新聞記者を経て現在、文化プロデューサー。21世紀に向けた新しい市民芸術運動「ABLE ART MOVEMENT(可能性の芸術運動)」を提唱、アジア・太平洋地域の障害者文化ネットワークづくりを行なっている。またボランティア活動を推進する民間非営利セクターの形成と、新しい市民社会づくりを提案している。社会福祉法人わたぼうしの会理事長、エイブル・アート・ジャパン常務理事、日本NPOセンター副代表理事、日本ボランティア学会副代表他。
著書に「共貧共存の思想」(日本青年奉仕協会)、「みんな同じ空の下に生きている」(青也コミュニケーションズ)、「知縁社会のネットワーキング」(柏書房)など。








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