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5.3 まとめ
◆ クロアチア造船業は、各種の船舶の建造で確かな名声を確立しており、1992年以降、特に、5万DWT以下のプロダクトタンカー、ケミカルタンカー、バルクキャリア分野で活発な事業活動を行っている。しかしながら、ほとんどの造船所では今日までのところ、高仕様の船舶を受注するまでにはいたっていない。見込みのある新事業分野の発掘とそこへの進出のための一層の努力が、造船所経営陣に必要となっている。特に、建造船種の多様化を図るなら、新事業分野の発掘にあたってクロアチア造船業の得意分野の営業を集中して行う必要がある。
 
◆ 1998年末以降、クロアチア造船業の新造船活動は大きく伸びており、これが、内戦以降のピークを記録した2000年の建造量や好調な新造船受注に現れている。このことで、外国船主の間にも、内戦が引き起こした問題も今や克服されたとの信頼が戻ってきている。
 
◆ 進められている造船設備の近代化、間近な国有造船所の民営化、政府の造船業支援の顕著な強化によって、現在、クロアチア造船業は諸課題への対応上これまでよりかなり恵まれた環境にある。
 
◆ 建造能力に限りがあり、世界の造船業に占めるシェアは小さいものの、パナマックス以下のプロダクトタンカーやケミカルタンカーなど幾つかの市場分野でクロアチア造船業はなお大きな存在であり続けるであろう。








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