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1.3 船舶改造・修繕
 上述の新造造船所の内、Kraljevica、Brodosplit (艦艇造船所) 及びBrodotrogirは、船舶の改造・修繕も手がけているが、クロアチア最大の改造・修繕ヤードはViktor Shiprepairを子会社に有するViktor Lenac造船所であり、両社はRijekaに所在している。Viktor Lenac造船所は、SplitにあるVranjic造船所にも修繕設備を有している。Viktor Lenac造船所は、クロアチア独立後、国内の海事産業で最も成功を収めた企業である。近年、同社の修繕設備は約85〜90%という極めて高い稼働率を保っているほか、改造の分野でも確固たる地位を築いている。また、同社は海洋用の石油・ガス装置のモジュールの製造でも多くの契約を獲得している。同社は1993年初めに民営化され、現在はZagreb証券取引所に上場されている。注14  株式のほとんどはイタリア及びオランダの株主が保有しているが、ワシントンにある国際的な金融機関やドイツ国有の投資会社であるDEG、オーストリアのRaiffeisenbankといった金融機関の持分もかなりの割合となっている。
 
 UgljanにあるWolf Lamjana造船所は、2000年7月に民営化され、クロアチアで二番目の民間修繕造船所となった。民営化以降、スイスの株主が持分を75%まで伸ばしている。同社では、10万DWTまでの修繕が可能となっている。
 
 この他にも修繕を手がけている造船所がいくつかあるが、12万DWTの能力の浮ドックを有するBrodogradiliste Veljko Vlahovicを除いて大型船の修繕が可能な造船所はほとんどない。ZadarにあるKotorska Brodoremontは、22,600DWTの浮ドックを保有し、石油リグの修繕も手がけている。この他には、13,000DWTの浮ドックを有するLosinj島のLosonjska Plovidvaなどがあげられる。また、SibenikにあるRemontono Brodogradliste Sibenik造船所は、従来、艦艇修繕を専門に手がけてきている。








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