日本財団 図書館


〜大きな歓声と拍手に迎えられた〜
バルト三国(リトアニア、ラトヴィア、エストニア)での太鼓公演
 この公演は、外務省の要請並びに国際交流基金の助成を受け、リトアニアで開催されるユネスコ国際会議と近隣国ラトヴィア並びにエストニアにおけるバルト三国の独立10周年を記念し、日本文化の紹介として太鼓公演を実施いたしました。
 このため、当財団が長野県の御諏訪太鼓保存会(古屋邦夫代表以下6名)を4月22日から5月4日までの約2週間にわたって派遣しました。
<派遣メンバー>
御諏訪太鼓保存会
古屋邦夫(代表)、松枝明美、河西のぞみ、高林英彦、道之後百合子、田中博信
(財)日本太鼓連盟
塩見和子(副会長)、秋田稔(事業課長)
バルト三国海外公演を終えて…
御諏訪太鼓保存会 河西のぞみ
 
 4月22日、バルト三国最初の地リトアニアに到着しました。到着後、桶胴太鼓の破損という思わぬアクシデントに見舞われましたが、全員で修理をし、太鼓公演へ向けて着々と準備が整っていきました。
 4月25日、今回のメインでもあるユネスコ国際会議文化プログラム日本太鼓公演が幕を開けました。この公演には私たちの他にコートジボワール、イラン、リトアニアの国々の演奏家も参加し、各国の伝統文化の共演となりました。その中で、私たち御諏訪太鼓の演奏の後には、多くの歓声と拍手を頂き、スタンディングオベーションで会場がわきかえり、私たちも多くの感動に酔いしれました。
 翌日、国立フィルハーモニーホールにおいて、私たちは1時間余りに及ぶ単独公演に臨みました。リトアニアには、日本人が17名程しか在住していません。日本の太鼓がどのように伝わるのか不安と緊張で胸がいっぱいでしたが、いつまでも止まぬ拍手と歓声が私たちに大きな感激をもたらしてくれました。
 4月27日、小型バスに乗り込み、太鼓を積んだトラックと共に陸路で、国境を越えました。少々緊張しましたが、大使館の方々の連携により太鼓も無事に通関を済ませ、日本人在住者8名程のラトヴィアへ入国しました。
 そして、私たちに用意されていた会場は、歴史あふれる旧市街地の中の由緒ある建物「国立シンフォニーオーケストラホール」でした。リハーサル中にTV局の取材も行われ、緊張も新たに、29日の公演を迎えました。最初は、リトアニアとの反応の違いに少し戸惑いましたが、自分たちの感情を表に出すことが少ないラトヴィアの人たちの温かい拍手は、私たちの心に深い何かを残してくれたように思います。
 4月30日、バルト海を北上し、最終目的地であるエストニアヘ。私たちは空路で、太鼓は陸路にて移動しました。
 日本人在住者10名程のエストニアでは、ホールの中庭でデモンストレーション公演とTV局の取材、5日に記者発表と最終公演と日本太鼓を紹介する数多くの時間が設けられていました。中庭での野外公演では、白髪のおばあさんがパンを一切れ下さいました。そして、小さな女の子がお花を摘んでくれました。エストニアの人たちに私たちはどう映ったのでしょうか…。東洋を紹介する音楽祭の一環として行なわれ、最終公演も会場いっぱいの鳴り止まぬ拍手の中、この三国を振り返り、日本の太鼓に対する反響の大きさを私たちメンバーは、しっかりと心に刻み込むことが出来ました。
 こうして、未知の国とも言えた三国での13日間におよぶ太鼓公演は、感動の中、無事終えることが出来ました。これもひとえに、各国の日本大使館の方たちの親切な対応といつもあたたかい励ましやご指導を下さった塩見副会長、秋田さんのお陰と感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
 これからも、この貴重な経験を忘れることなく、今後の活動に生かしていきたいと思います。
 最後にこのような機会を与えてくださった関係者の皆様に、深く感謝いたします。ありがとうございました。
z0003_01.jpg
(エストニア・タリン市内での野外公演)








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION