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2.ソフト系IT産業の実態
 ●国土交通省が平成13年8月にリリースした「増加し続けるソフト系IT産業〜ネットバブル後も増加するインターネット業〜」1 によれば、千代田区秋葉原駅の半径1km圏内に660程度のソフト系IT産業の事業所が立地しているのをトップに、渋谷区渋谷駅(480程度)、新宿区都庁前駅(430程度)、大阪市中央区心斎橋駅(420程度)、中央区茅場町駅(400程度)、福岡市博多区博多駅(400程度)と、ソフト系IT産業の事業所は大都市のターミナル駅周辺に集積する傾向となっている。
1「ソフト系IT産業の実態調査」報告書 平成13年8月 国士交通省国土計画局編
 ●同調査によれば、ソフト系IT産業の事業所が立地にあたり考慮した要因は、「賃料の妥当性」が圧倒的に多い。交通アクセスも重視されている要因であり、営業面、人材面での人材確保の容易さなどから「最寄駅へのアクセスの良さ」を考慮している企業が多い。「通信環境の良さ」を重視する比率は、地域による差は大きくないが、若い企業ほど「通信環境の良さ」を重視する傾向があり、特に創業が「2000年以降」の「インターネット」関連企業ではその傾向が顕著である。また、事業所の移転については、比較的狭い範囲での移転が多く、新たな事業所を開設する場合でも、比較的狭い範囲で大都市部を指向する傾向があり、地域の選定にあたっては、営業面や交通利便性などが比較的重視されている。 

 ●ソフト系IT産業の特徴としては、「インターネット」関係の企業の創業は1990年以降、特に1995年以降の創業が多く、過去3年間の売上高平均伸び率を越える企業が、「インターネット」関係の企業では20%以上ある。また、同業者との交流は、現状では6割以上の事業所がほとんどないとしているが、交流会等への参加意向は高い。行政への要望として最も多いのが、「通信インフラの整備」で、「税の軽減」や「低利融資」、「オフィスビルの安価な提供」など、経済面での支援に対する要望も半数近くに上がっている。「ソフト開発系」、「エンジニアリング・販売系」、「コンテンツ・ネット系」というクラスター別に立地特性を見ると、「コンテンツ・ネット系」が、職住近接、地域環境の良さ、自治体誘致策、会合スペースなどを比較的重視するという特徴的な傾向を示している。








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