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5 秋葉原地区の新たなまちづくり
(1)秋葉原地区の現状と魅力
 東京秋葉原の電気街は海外からの顧客も多く、「AKIHABARA」の名前は世界的ブランドになっている。ここは世界有数の情報機器や家電製品の店舗が集中する地区という特徴を持ち、またこれらに関する書店や展示・教育施設も展開している。ここに近接する丸の内、大手町といった本社機能を有するビジネス街は、情報コンテンツやソフトウェアの大きな需要を産み出し、秋葉原周辺にネット産業の一大集積が形成されつつある。
 秋葉原地区は都心部に位置し、東西に走るJR総武線と南北に走る山手線が縦横に交差し、また営団日比谷線の乗換駅として都内の重要な交通結節点としての機能を担っている。また、平成5年度につくば線(常磐新線)(秋葉原〜新浅草)の乗り入れも決定した。
 秋葉原地区の新たな土地利用の検討は、昭和50年の秋葉原駅貨物駅の廃止、平成元年度の神田市場の廃止に伴い、都内有数の大規模跡地が発生したことに始まる。平成8年度からは、大規模跡地を中心とした、周辺地域の土地の有効利用と都市機能の更新を図るため、土地区画整理事業が進められている。
図12 秋葉原地区の位置
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 東京都の政策の基本である「東京構想2000」(平成12年12月発表)では、東京の産業を活性化していく今後の取り組みとして、情報通信産業等の成長産業の育成が重要であり、そのため都市づくりと連携しながら産業の集積を図っていくことの重要性が指摘されている。
 さらに、秋葉原地区について、電気街が持つ魅力や世界的知名度に支えられた集客力を活用し、コンテンツ創造産業やASP事業などのIT関連産業の集積を促進していくことにより、高付加価値なビジネス市場を創造するとともに、IT関連産業の世界的な拠点を形成していくとしている。








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