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第2期 被害者支援ボランティアセミナーを開催
 昨年に続いて、当センター主催の「被害者支援ボランティアセミナー」が、七月八日、十四日、十五日の三日間、当センターの研修室で行われました。
 最近の被害者支援に対する社会の関心の高さからか、六十名の定員に対し、百八十名余の申し込みがありました。会場の都合から、七十名余の方に受講していただきましたが、残念ながら受講できない方からは、何度も受講したい旨のご連絡をいただくなど、担当者としても身を切られるような思いでした。
 セミナーの第一日目は、当センター青木俊一専務理事の開会挨拶で始まり、続いて副理事長の山上皓・東京医科歯科大学教授による「社会による被害者支援〜歴史と現状と課題〜」と題した講演が行われました。その後、地下鉄サリン事件遺族の高橋シズヱさんによる「心の傷は残ったまま」と題する講演、続いて殺人事件で突然父親を亡くされた山東純子さんの、「被害者のこころ」と題する講演があり、それぞれのご遺族の悩みや実情が研修生の心に響き、被害者支援の必要性・重要性を同時に感じたようでした。
 二日目は、警視庁犯罪被害者支援室の坂口知子室長から、「警察における被害者支援〜現状と問題〜」と題する講演があり、坂口室長のユーモアを交えた話の中で、警察の被害者に対する支援が着実に進みつつあることを感じた研修生も多くいました。次に、精神科医の中島聡美先生から、「PTSD〜(心的外傷後ストレス障害)」についての講演があり、研修生の多くが[PTSD]についてのこれまでの認識の誤りにも気づき、考えを新たにしていました。続いて弁護士の志賀こず江先生からは、「弁護士としての被害者支援〜被害回復と救済〜」についての講演があり、体験を基にした弁護活動についての話には、感銘した研修生も多かったようです。
 最終日は、当センター頼住相談支援室長、大久保相談室長代理、江幡玲子コーディネーターによる被害者支援の実施要領等が、パネルディスカッション形式で行われました。
 また、研修生によるロールプレイでは、実際に電話による相談要領が行われ、被害者支援の難しさを感じたようでした。
 研修の最後に閉校式があり、三日間出席した六十九名の研修生に対し、山上副理事長、江幡コーディネーターから、それぞれ修了証が手渡されました。
 連日、記録的な猛暑の中でのセミナーでしたが、被害者支援の必要性・重要性等について学んだ研修生の笑顔がとても印象的で、また、受講者の熱心に学ぶ姿に刺激されたかのように、先生方の講演も大変熱のこもったものでありました。
 今回のセミナーの開催に当たっては、昨年受講した一期生がボランティアとして活躍するなど、被害者支援活動の広がりを感じとることができました。
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山東純子さん(遺族)の講演
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警視庁・坂口犯罪被害者支援室長の講演








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