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3 結果と考察
(1) 被害に遭った時、実際に支援を受けたかどうかということについて聞いたところ、七十三人中六十九人が、何らかの支援を受けたことがあると回答し、四人が無回答となっています。
【表1-1】誰から支援を受けてきたか
    (以下各表・複数回答)
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[1] 支援提供者(または機関)は【表1−1】のとおり複数回答で、親戚から支援を受けた人が三十六人、友人が三十人、家族と弁護士がそれぞれ十三人づつ、全国の被害者支援センター・自助グループが十一人、警察が八人、近所の人が六人、病院が一人となっています。
 市役所や福祉事務所等の行政機関を揚げた人はいませんでした。
 また、遺族が子供の場合は、家族、友人、近所の人等、身近な人から支援を受けていますが、弁護士、支援センター、自助グループなどを揚げた人はいませんでした。
【表1-2】どんな支援を受けてきたか
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[2] どのような支援を受けたかについては【表1−2】のとおりで、精神的支援が四十二人、警察・病院・裁判所などへの付添いが三十七人、情報提供が三十一人、家事の手伝いが二十六人、マスコミヘの対応が十二人、弁護士の紹介が十人、経済的な支援が六人となっています。
 支援を受けた八割以上が支援を受けたことに「満足している」と答え、その理由として「大変心強く、落ちつけて良かった。対応できないことをやってもらえて良かった。」と答えています。
 満足度が高かった支援内容は、家族からの精神的支援、被害者支援センターや自助グループ・遺族からの情報提供、自助グループや遺族・弁護士からの精神的支援の順でした。
 経済的支援を受けた人は、全員が満足だったと答えています。
 また、受けた支援に不満もあったと答えた人が十六人いました。
 その内容は、「家族や親戚から家事を手伝ってもらったり精神的に支えてもらったが、役に立たなかった。」「友人からマスコミヘの対応や精神的支援を受けたが、傷つくようなことをされた。」と答えている人もおり、傷つけない支援の提供や方法が求められます。
 また、支援を受けて、不満と答えた人の中には「話をゆっくりと聞いてもらい有難いと思ったが、子供を亡くした親には満足という回答は出来ません」との記述もありました。
(2) 事件直後から一年後、三年後、五年後、七年以上と年数の経過毎に振り返ってもらい、いつどのような支援があれば良かったと思うかを回答してもらいました。【表3】
【表3】 事件後にどんな支援があったら良かったと思うか
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