今回の調査では、参考として特別養護老人ホームで活動しているボランティア活動者に対しても、調査を実施した。なお、回答者数が少ないため、細かい分類では、該当者数が極端に少なくなっていることに留意する必要がある。

　最も多いのが「10年以上」で、次いで「3年以上5年未満」、「5年以上10年未満」となっている。活動歴と年齢の関係をみると、ある程度は年齢が高くなるに従って、活動歴が長くなる傾向がみられるが、「50歳代」、「60歳代」でも活動歴の短い人もかなりいることがわかる。

　最も多いのが、「主婦」で半数強を占めている。次いで「退職者」、「自営業」となっているが、「主婦」以外は「主婦」に比べるとかなり少ない。現在も働いている人は、パートタイマーを含めて28.3%である。また、学生は4.3%で最も少ない。また、「男性」はパートタイマーを含めて半数近くが職業を持っているのに対し、「女性」の有職者は、四分の一程度である。

　ボランティア活動の内容を複数回答で尋ねたところ、最も多いのが「話し相手」で、48.9%と約半数の者が行っている。次いで「クラブ活動・イベントの手伝い」の35.6%、「洗濯物たたみ」26.7%などとなっている。一方、数が少ないものとしては、「衣類の記名」、「庭の清掃」であった。なお、「その他」としては、多岐にわたっているが例えば「喫茶の手伝い」、「一般浴の際の衣服着脱介助」などがある。

　ボランティア活動を行うために訓練、研修を受けたかどうかをきいたところ、「受けていない」が多数(65.2%)であった。男女別、年齢別等でみてもその割合の違いは小さい。

　受けた者について、研修、訓練の主催団体をきいたところ、「行政」が最も多く(45.2%)、他はそれほど多くない。男女別にみたときに、男女間に違いがみられるが、該当者が少数であるので何ともいえない。「その他」としては、社会福祉協議会、介護事業者などが挙げられている。

　きっかけとして最も多いのは「自分の自発的な意志で」であり、6割近い59.8%となっている。それ以外では「隣人・友人等の勧め」、「ボランティアに関する研修会等に参加して」が比較的多いが、「自分の自発的な意志で」に比べると少ない。「その他」の内訳としては、「施設等職員の依頼で」、「本施設勤務の経験を活かして」というのが何人かあった。男女別にみたとき、「学校・職場等で参加の機会を得た」と「隣人・友人等の勧め」で男女間の違いがあるが、それぞれの社会的活動の場の違いを反映しているのであろうか。

　このような結果から判断すると、今後ボランティア活動者を増やしていくためには、マスコミを含めた様々な手段、機会を通じて、ボランティア活動についての関心を高めていくような永続的な働きかけが必要ではなかろうか。