［2］　介護職員〔第17表-3参照〕
　「介護職員」全体でみると、分布の中位は「300万円以上350万円未満」にあり、第1四分位と第3四分位が250万円〜450万円となっている。「生活相談員」の中位が「350万円以上400万円未満」、第1四分位から第3四分位が300万円〜550万円となっているのと比較すると、1ないし2段階低い感じである。

・入所者定員別
　「生活相談員」と同様「101人以上200人以下」がやや高くなっている。

・年齢別
　「生活相談員」の場合と同様に、年齢が上がるにつれて、年収額も上昇している。相場としてみれば、「20歳代」は250〜350万円、「30歳代」は300〜400万円、「40歳代」は300〜450万円といったところであろうか。

［3］　両職種の比較
　両者の分布状況を四分位でみてみると、中位について「生活相談員」は「350万円以上400万円」にあるのに対し、「介護職員」では「300万円以上350万円未満」であり、第1四分位は「生活相談員」は「300万円以上350万円未満」、「介護職員」は「250万円以上300万円未満」となっている。さらに第3四分位は「生活相談員」は「500万円以上550万円未満」、「介護職員」は「400万円以上450万円未満」となっていて、全体として、「生活相談員」が1ないし2段階(50万円ないし100万円)高い金額階級に分布している状況にある。
　年齢構成等が異なれば、賃金水準に差が生じるのは当然であるので、このことだけから、両者の賃金水準の高低をいうのは適当ではないものの、条件を揃えてみても、両者の間には金額に差があるようなので、二つの職種の間には給与水準自体に差が存在するといえるように思われる。
　その理由として考えられるのは、「生活相談員」と「介護職員」では、施設において学歴、資格の違いに基づく給与上の格付けに差がある場合があることが考えられる。さらに、介護保険制度の実施に伴って、各種手当の支給を独自に決める事業所が増えてきたことが、このような差を大きくしていることも考えられよう。

・設置形態別
　概ね満足している者の割合は、「公設公営」で最も高く(45.9%)、「民設民営」が最も低く(34.4%)、「公設民営」がその中間となっている。また、「公設公営」で「満足」が14.2%、「公設民営」で「不満」が22.5%と、他の施設に比べて飛び抜けて高くなっているのが目立つ。

・入所者定員別
　規模による差は小さい。

・職種別
　「生活相談員」の方が満足度は低く、特に「満足」という者の割合が小さい。

・男女別
　「女性」に比べ、「男性」の満足度がかなり低いことが注目される。

・年齢別
　おおまかな傾向として、年齢が高くなるにつれ、満足する者の割合は高くなる傾向がみられる。年収額が年齢の上昇に伴って上がる傾向にあるので、それとも関係しているのであろうか。なお、「50歳代」で満足度が特に高いが、これには「50歳代」は99名中98名が女性であるという性別構成も影響を及ぼしているとも考えられる。

(1)　職種計
　概ね満足している者(「満足」と「どちらかといえば満足」を合わせたもの。)をみると、多少バラツキはあるものの、金額が高くなるに従って、その割合は高くなっている。「500万円以上550万円未満」以上では、満足している者が、満足していない者の割合を上回っており、逆に、「不満」の者でみると、「500万円以上550万円未満」で大きく減少しており、500万円が一つの節目になっていると思われる。

(2)　職種別

［1］　生活相談員
　該当者数が少ない(特に「満足」)ので、確かなことはいえないが、概ね500万円が一つの境目といえよう。

［2］　介護職員
　「介護職員」については、「350万円以上400万円未満」に特異と思われる数値(「満足」)がある。それ以外をみると、概ね満足していると答えた者の割合が、半分になるのは、「450万円以上500万円未満」あるいは「500万円以上550万円未満」である。