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IV 年俸制
 我が国企業における賃金制度は新規学卒者の一斉採用・企業内教育を基盤とした年功制によるものが主流であったが、バブル崩壊後の長期にわたる経済不況の中で、企業では人件費の抑制の意味も含めた能力主義、業績主義による賃金制度への移行が行われている。その具体的形態の一つである年俸制の導入状況については当研究所でも平成7年から隔年で調査してきており、年を追うごとに導入企業の割合は倍増し、前回(平成11年)調査では回答企業の30.2%で導入されていた。
 年俸制賃金は企業が個人の能力評価や実績を基にして年間の賃金を決定するものであり、その決定に至る過程は企業ごとに異なっているであろうが、大まかにみれば、個々の社員が年度当初に各年度の目標を設定し、年度末にその目標の達成度について会社が評価を行い、その結果を基に社員は会社と交渉のうえ次年度の年間賃金を決定するのが一般的な仕組みとなっており、その過程では目標の設定方法とともに公正な評価とその納得性が極めて重要である。そこで今回の調査では企業における年俸制の導入状況、年俸制の対象者を追跡調査するとともに、年俸額の構成、年俸制を廃止した(廃止しようとする)理由について調査した。
1. 年俸制の導入状況〔第31〜33表参照〕
 年俸制を「導入している」と回答したのは回答企業全体の28.9%で、「導入しているが、廃止の方向・予定」の1.1%と合わせても30.0%と、平成11年調査の30.2%とほぼ同率であった。また、「1年以内に導入する」は3.4%(平成11年調査6.1%)、「導入する考えがある」も21.1%(同26.3%)などいずれも平成11年調査結果に比べ減少しており、企業における年俸制の導入に向けての動きは一段落したものといえる。
第31表 年俸制の導入状況(総括表)
項目\回答企業数\調査年 平成13年 平成11年 平成9年
266社 358社 343社
導入している 28.9%  30.2% 14.6%
導入しているが、廃止の方向・予定 1.1    
1年以内に導入する予定 3.4 6.1 6.4
廃止した 0.4    
導入していない 66.2 63.7 79.0
  導入する考えがある 21.1 26.3 19.0
導入する考えがない 45.1 37.4 60.0
(注) 平成11年及び平成9年調査では「導入しているが、廃止の方向・予定」及び「廃止した」の項目を設けていない。
 これらの状況を企業規模別及び産業別にみると、以下のとおりとなっている。
 
ア 企業規模別
 年俸制を「導入している」と回答したのは「5千人以上」が37%と前回(平成11年)調査結果の31%を超えたほかは、「3・4千人台」29%(前回35%)、「1・2千人台」30%(同32%)、「千人未満」19%(同22%)といずれも前回を下回る結果となった。今後年俸制を「導入する考えがある」とする企業も「1・2千人台」で26%と前回を2ポイント超えた以外は前回調査結果を下回っている。しかし、年俸制の導入意向がある企業はまだ20%以上あり、企業規模のいかんを問わず年俸制導入が民間企業における賃金制度での大きな流れとなっていることがうかがわれる。
第32表 年俸制の導入状況
[1]企業規模別
項目\回答企業数\企業規模 5千人以上 3.4千人台 1.2千人台 千人未満
266(358)社 56(64)社 34(48)社 113(157)社 63(89)社
導入している 28.9(30.2)% 37(31)% 29(35)% 30(32)% 19(22)%
導入しているが、廃止の方向・予定 1.1 6 1
1年以内に導入する予定 3.4(6.1) 4(8) 6(2) 4(6) 2(8)
廃止した 0.4 1
導入していない 66.2(63.7) 59(61) 59(63) 64(62) 79(70)
  導入する考えがある 21.1(26.3) 11(22) 18(27) 26(24) 22(34)
導入する考えがない 45.1(37.4) 48(39) 41(36) 38(38) 57(36)
(注) ( )内の数字は、平成11年の調査結果を示す。
  なお、平成11年調査では「導入しているが、廃止の方向・予定」及び「廃止した」の項目を設けていない。
イ 産業別
 全体的にみて、回答企業数が多い「製造業」の数字に左右される面が強いが、年俸制を「導入している」と回答している比率の最も高いのが「電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業」の53%、次いで「製造業」が32%、「卸売・小売業、飲食店」が30%となっており、この3業種が全体の平均率28.9%を超えている。反対に「導入していない」と回答している比率が最も高いのが「運輸・通信業」で100%、次いで「金融・保険業、不動産業」が90%、「農林漁業、鉱業、建設業」が70%で、この3業種が全体の平均率66.2%を超えている。
 なお、回答企業数の最も多い「製造業」についてその状況をみると、「導入している」が調査数合計の32%、「1年以内に導入する予定」が3%で、合わせて35%に達する結果になっている。反対に「導入していない」は63%であるが、うち、今後年俸制を導入する意向が「ある」と答えた企業が19%存在している。その他、特徴的なこととしては、「金融・保険業、不動産業」で「導入していない」と回答している企業が90%であるが、うち今後年俸制を導入する意向が「ある」と答えたのが38%と高い比率を示している。
第33表 年俸制の導入状況
[2]産業別
項目\回答企業数\産業 農林漁業、 鉱業、建設業 製造業 電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業 運輸・通信業 卸売・小売業、飲食店 金融・保険業、不動産業
266(358)社 27(45)社 145(195)社 17(19)社 9(12)社 47(50)社 21(37)社
導入している 28.9(30.2)% 22(20)% 32(33)% 53(37)% −(33)% 30(34)% 5(19)%
導入しているが、廃止の方向・予定 1.1 2
1年以内に導入する予定 3.4(6.1) 7(−) 3(9) 6(−) −(−) 2(6) 5(3)
廃止した 0.4 2
導入していない 66.2(63.7) 71(80) 63(58) 41(63) 100(66) 66(60) 90(78)
  導入する考えがある 21.1(26.3) 19(42) 19(27) 29(47) 11(8) 19(12) 38(16)
導入する考えがない 45.1(37.4) 52(38) 44(31) 12(16) 89(58) 47(48) 52(62)
(注) ( )内の数字は、平成11年の調査結果を示す。
  なお、平成11年調査では「導入しているが、廃止の方向・予定」及び「廃止した」の項目を設けていない。
2. 年俸制の対象者〔第34〜36表参照〕
 年俸制を導入している企業のその対象となる者について、事務系及び技術系(研究系を含む。)の従業員別に集計した結果については、次のとおりである。
 
(1) 事務系
 年俸制の対象者については、一昨年までと同様に「管理職」とする企業の割合が91%と最も高く、その他の項目はいずれも10%未満という結果であった。次にこの「管理職」について役職段階別にその対象者をみると、回答企業の割合が最も高かったのは「課長級以上」の37%であり、以下「課長代理級以上」28%、「部次長級以上」11%、「部長級以上」7%の順となっていた。課長又は課長代理といった比較的下位の役職段階から適用されている状況が見受けられたが、これを平成9年から時系列的に追ってみると、「部長級以上」に年俸制を適用している企業の割合は平成9年が27%、平成11年が16%、平成13年が7%とおおむね隔年ごとに半減してきており、「課長級以上」では43%、38%、37%とほぼ横ばいの状況となっているのに対し、「課長代理級以上」についてみると6%、11%、28%と隔年ごとに倍増傾向にある。この数値をみる限りにおいて、その適用となる従業員の役職段階は下位の方に推移するなど、企業における年俸制の導入状況は一段落した感があるものの、年俸制が適用される従業員の範囲は広がってきているものと思われる。
 なお、「事業部長級以上」についてみると、平成11年が3%、本年調査では5%と微増していたが、これは最近年俸制を採用した企業ではまず上位の役職段階から適用しているということなのであろう。
第34表 年俸制の対象者(総括表)
(複数回答)
項目\回答企業数\職種\調査年 平成13年 平成11年 平成9年
事務 技術 事務 技術 事務 技術
87社 78社 128社 110社 70社 61社
管理職 91% 94% 87% 88% 94% 89%
  事業部長級以上 5 5 3 4    
部長級以上 7 8 16 19 27 25
部次長級以上 11 11 14 16 14 15
課長級以上 37 40 38 37 43 43
課長代理級以上 28 26 11 10 6 5
その他 3 4 4 3 6 3
役職定年者 8 8 9 10 1 3
全従業員 2 1 2
再雇用者 2 3 4 4 1 2
その他 5 5 10 8 4 8
(注) 平成9年調査では「事業部長級以上」の項目を設けていない。
 これらの状況を企業規模別及び産業別にみると、以下のとおりとなっている。
 
ア 企業規模別
 年俸制の対象者を「管理職」としているものを企業規模区分でみると「5千人以上」及び「3・4千人台」が100%、「1・2千人台」、「千人未満」が84%となっている。「管理職」以外では「役職定年者」で各企業規模とも10%前後存在している。
 さらに、役職段階別に最も高い比率を占める職位は、「5千人以上」は「課長級以上」(46%)、「3・4千人台」は「課長級以上」、「課長代理級以上」(各29%)、「1・2千人台」は「課長級以上」(37%)、「千人未満」は「課長級以上」「課長代理級以上」(各30%)となっており、現時点で、全体的には「課長級以上」がやや年俸制の対象者として高くなっているが、この項の冒頭でも述べたように時系列的にみると、年俸制の対象者は下位の役職段階に広がりつつあることが予想される。
第35表年俸制の対象者
[1]企業規模別
(複数回答)
項目\回答企業数\職種\企業規模 5千人以上 3・4千人台 1・2千人台 千人未満
事務 技術 事務 技術 事務 技術 事務 技術 事務 技術
87(128)社 78(110)社 22(25)社 22(22)社 14(17)社 13(18)社 38(59)社 31(46)社 13(27)社 12(24)社
管理職 91(87)% 94(88)% 100(84)% 95(86)% 100(94)% 100(89)% 84(85)% 94(89)% 84(89)% 84(87)%
  事業部長級以上 5( 3) 5( 4) 4( 8) 4( 9) 14(−) 15(−) −( 3) −( 4) 8(−) 8(−)
部長級以上 7(16) 8(19) 4(28) 4(32) −(24) −(22) 10(12) 13(15) 8(11) 8(13)
部次長級以上 11(14) 11(16) 14(12) 14( 9) 14(35) 15(33) 10(12) 13(15) 8( 7) −( 8)
課長級以上 37(38) 40(37) 46(24) 50(27) 29(29) 31(28) 37(41) 39(39) 30(52) 34(50)
課長代理級以上 28(11) 26(10) 32( 8) 23( 9) 29( 6) 24( 6) 24(14) 26(13) 30(11) 34( 8)
その他 3( 4) 4( 3) −( 4) −(−) 14(−) 15(−) 3( 3) 3( 2) −( 7) −( 8)
役職定年者 8( 9) 8(10) 14( 8) 14( 9) 7( 6) 8( 6) 3( 7) 3( 9) 15(19) 8(17)
全従業員 2(−) −(−) −(−) −(−) −(−) −(−) 5(−) −(−) −(−) −(−)
再雇用者 2( 4) 3( 4) −(−) −(−) −(−) −(−) 5( 7) 7( 7) −( 4) −( 4)
その他 5(10) 5( 8) −(16) 5(14) −(−) −( 6) 8(15) 7(11) 8(−) 8(−)
(注) ( )内の数字は、平成11年の調査結果を示す。
イ 産業別
 年俸制の対象者を管理職としている業種で、率のみでみて全体的な平均率91%を超えているものは、「農林漁業、鉱業、建設業」及び「金融・保険業、不動産業」の100%、「製造業」が98%の3業種である。回答企業数が最も多い「製造業」について最も割合の高い役職段階は「課長級以上」の45%、次いで「課長代理級以上」が32%であり、「事業部長級以上」は4%にすぎない。
 「製造業」以外の業種では回答企業数が少ないこともあるが、導入の状況及び役職段階別の比率はそれほど偏ってはいない。
第36表年俸制の対象者
[2]産業別
(複数回答)
項目\回答企業数\職種\産業 農林漁業、鉱業、建築業 製造業 電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業 運輸・通信業 卸売・小売業、飲食店 金融・保険業、不動産業
事務 技術 事務 技術 事務 技術 事務 技術 事務 技術 事務 技術 事務 技術
87(128)社 78(110)社 8( 9)社 8( 9)社 53(82)社 54(80)社 10( 6)社 9( 6)社 −( 4)社 −( 4)社 14(20)社 6( 9)社 2( 7)社 1( 2)社
管理職 91(87)% 94(88)% 100(78)% 100(78)% 98(93)% 96(94)% 90(100)% 100(83)% −(100)% −(100)% 58(60)% 50(44)% 100(86)% 100(100)%
  事業部長級以上 5( 3) 5( 4) 25(−) 25(−) 4( 5) 4( 5) −(−) −(−) −(−) −(−) −(−) −(−) −(−) −(−)
部長級以上 7(16) 8(19) 13(−) 13(−) 6(18) 5(19) 20(33) 22(33) −(75) −(75) −(−) −(−) −(14) −(50)
部次長級以上 11(14) 11(16) 25(22) 25(22) 7(17) 7(18) 20(17) 22(17) −(−) −(−) −( 5) −(−) 100(−) 100(−)
課長級以上 37(38) 40(37) 13(56) 13(56) 45(42) 46(41) 30(33) 34(17) −(25) −(25) 29(30) 33(11) −(14) −(−)
課長代理級以上 28(11) 26(10) 25(−) 25(−) 32(10) 30(10) 10(17) 11(17) −(−) −(−) 29(20) 17(22) −(14) −(−)
その他 3( 4) 4( 3) −(−) −(−) 4( 1) 4( 1) 10(−) 11(−) −(−) −(−) −( 5) −(11) −(43) −(50)
役職定年者 8( 9) 8(10) 13(22) −(22) 9( 6) 9( 5) −(−) −(−) −(25) −(25) 7(20) 17(44) −(−) −(−)
全従業員 2(−) −(−) −(−) −(−) −(−) −(−) −(−) −(−) −(−) −(−) 14(−) −(−) −(−) −(−)
再雇用者 2( 4) 3( 4) −(−) −(−) 2( 4) 2( 4) 10(−) 11(−) −(−) −(−) −(10) −(11) −(−) −(−)
その他 5(10) 5( 8) −(22) −(22) −( 6) 4( 5) 10(−) −(17) −(−) −(−) 21(20) 33(11) −(29) −(50)
(注) ( )内の数字は、平成11年の調査結果を示す。
 
(2) 技術系
 技術系の職種についてみると、「課長級以上」が40%と最も高く、以下「課長代理級以上」26%、「部次長級以上」11%、「部長級以上」8%、「事業部長級以上」5%の順となっており、平成9年から時系列的にみても事務系とほぼ同様の傾向を示している。 これらの状況を企業規模別及び産業別にみると、以下のとおりとなっている。
 
ア 企業規模別
 年俸制の対象者を「管理職」としているものを企業規模別にみると、「3・4千人台」が100%、「5千人以上」が95%、「1・2千人台」が94%、「千人未満」が84%となっており、企業規模が大きいほど導入率が高くなっている傾向があることは前に述べた傾向と同じである。「管理職」以外では「役職定年者」が各規模とも10%前後存在している。さらに役職段階別に最も高い比率を占めているのは「課長級以上」が「5千人以上」(50%)、「3・4千人台」(31%)、「1・2千人台」(39%)、「千人末満」は「課長級以上」「課長代理級以上」がともに34%となっている。
 
イ 産業別
 年俸制の対象者を管理職としている業種で、平均率94%を超えているものは「農林漁業、鉱業、建設業」、「電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業」及び「金融・保険業、不動産業」が100%、「製造業」96%である。回答企業数の多い「製造業」についてみると、「課長級以上」の46%が最も高く、「課長代理級以上」が30%である。その他は4〜7%でそれほどの偏りはない。
3. 年俸額の構成〔第37・38表参照〕
 年俸制を導入している企業について、その年俸額はどのような要素で構成されているかについて調査した結果、「固定給部分と前年の業績等の査定部分により構成」されていると回答した企業の割合は回答企業全体の69.3%と7割近い割合となっており、「全額前年の業績等の査定により構成」している企業の割合は26.1%となっている。長年終身雇用制のもとで年功制賃金制度を維持してきた我が国企業にあっては、年俸で賃金が定められるとしても年ごとによって年収額が大きく変化するということは受け入れ難いものがあるのであろう。
 なお、この状況を企業規模別にみると「固定的部分と前年の業種等の査定部分により構成」が比較的高い比率を占めており、「3・4千人台」が78.6%と最も高く、次いで「1・2千人台」が71.8%で、この2つの規模が全体平均69.3%を超えている。「全額前年の業績等の査定により構成」は全般的に20〜30%であるが「千人未満」のみ38.5%とやや高い率となっている。
 また産業別にみると、各業種とも「固定給部分と前年の業績等の査定部分により構成」の比率が圧倒的に高く、回答企業数が最も多い「製造業」では70.4%となっている。「全額前年の業績等の査定により構成」については、回答企業数は少ないが「電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業」で30.0%、「農林漁業、鉱業、建設業」で28.6%とやや高くなっている。
第37表 年俸額の構成
[1]企業規模別
項目\回答企業数\企業規模 5千人以上 3・4千人台 1・2千人台 千人未満
88社 22社 14社 39社 13社
全額前年の業績等の査定により構成 26.1% 27.3% 21.4% 23.1% 38.5%
固定的部分と前年の業績等の査定部分により構成 69.3 68.2 78.6 71.8 53.8
その他 4.6 4.5 5.1 7.7
第38表 年俸額の構成
[2]産業別
項目\回答企業数\産業 農林漁業、鉱業、建設業 製造業 電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業 運輸・通信業 卸売・小売業、飲食店 金融・保険業、不動産業
88社 7社 54社 10社 −社 15社 2社
全額前年の業績等の査定により構成 26.1% 28.6% 25.9% 30.0% −% 26.7% −%
固定的部分と前年の業績等の査定部分により構成 69.3 57.1 70.4 70.0 66.7 100.0
その他 4.6 14.3 3.7 6.6
4. 年俸制を廃止した(廃止しようとする)理由〔第39・40表参照〕
 これまでみてきたように、多くの企業で従来の年功による賃金体系から能力や業績に応じた賃金体系に転換していく流れの中で、今や年俸制は一部上場企業ではその30%近くで普及している状況にある。しかし一方ではその額の決定方法や業績評価の方法など課題も多いことが指摘されており、年俸制を廃止するような動きもあるのではないだろうか。そこで今回の調査ではその点の状況も調査の対象としたが、回答した企業の数が4社(「廃止した」1社、「廃止の方向」3社)と少ないため、全般的な傾向について指摘することはできないが、複数回答でみると「制度導入時に想定していた年俸制のメリットが活かされていない」が3社(75.0%)、「評価基準自体に問題があった」及び「評価結果に対する従業員の納得性が乏しい」がそれぞれ2社(50.0%)、「評価に時間がかかるなど評価者の負担が大きい」が1社(25.0%)となっていた。
第39表 年俸制を廃止した・しようとする理由
[1]企業規模別
(複数回答)
項目\回答企業数\企業規模 5千人以上 3・4千人台 1・2千人台 千人未満
4社 −社 2社 2社 −社
評価基準自体に問題があった 50.0 −% −% 100.0 −%
制度導入時に想定していた年俸制のメリットが活かされていない  75.0 50.0 100.0
評価に時間がかかるなど評価者の負担が大きい 25.0 −  50.0
評価結果に対する従業員の納得性が乏しい 50.0 50.0 50.0
その他 50.0 50.0 50.0
第40表 年俸制を廃止した・しようとする理由
[2]産業別
(複数回答)
項目\回答企業数\産業 農林漁業、鉱業、建設業 製造業 電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業 運輸・通信業 卸売・小売業、飲食店 金融・保険業、不動産業
4社 −社 3社 −社 −社 1社 −社
評価基準自体に問題があった 50.0% −% 33.3% −% −% 100.0% −%
制度導入時に想定していた年棒制のメリットが活かされていない 75.0 66.7 100.0
評価に時間が掛かるなど評価者の負担が大きい 25.0 33.3
評価結果に対する従業員の納得性が乏しい 50.0 66.7
その他 50.0 66.7








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