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VII「新総合物流施策大綱」の概要
平成13年7月
国土交通省
経済産業省
I 新大綱の策定について
(1)新総合物流施策大綱とは
 政府は、平成9年4月に、平成13年までにコストを含め国際的に遜色のない物流サービスを実現することを目指して具体的施策をまとめた「総合物流施策大綱」(平成9年大綱)を閣議決定。
 「新総合物流施策大綱」(新大綱)は、平成9年大綱の目標年の到来を迎えるに当たり、これまで実施してきた施策の成果を評価し、平成9年大綱策定以降の情勢変化等を踏まえて新たな目標を定め、その達成のための具体的施策をまとめるもの。
(2)平成9年大綱の評価と新大綱の必要性
 平成9年大綱の下で、以下の3つの目標実現に向けた諸施策が実施され、一定の効果を上げてきたものの、さらなる取組みが必要。
 
1 アジア太平洋地域で最も利便性が高く魅力的なサービス
・各種インフラの整備、規制緩和の推進、貿易手続きの短縮化、標準化、情報化等による物流システムの高度化により、物流サービスの利便性の向上はみられる。
  例:輸入手続全体に要する平均時間が約95時間(平成8年3月)
    →約87時間(平成10年3月)
・しかし、アジア地域において先進的な国際港湾等の整備が進む中、我が国の国際港湾のコンテナ取扱量の伸びは低位。船舶の大型化への対応、港湾のフルオープン化、輸出入手続の電子化・ワンストップ化の実現等の必要性が指摘。
・グローバル化の一層の進展に対応していくため、より一層のハード・ソフト両面の改善が必要。
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TEU:Twenty−Feet Equivalent Unit(20フィートコンテナ換算)
(注)1999年の台湾はkaohsiung、keelung、taichungの合計である。
 
2 産業立地競争力の阻害要因とならない物流コスト
 物流コストはわずかながら低下傾向にあり、米国と比較しても必ずしも高い水準にはないが、例えば、港湾関連のコストについては、アジアの先進港湾に比べれば高い水準にある。国際的な競争激化の中、引き続きコストの低減に努めていくことが重要。
 
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3 エネルギー問題、環境問題及び交通安全等への対応
 都市内交通の円滑化のためのインフラ整備や交通事故抑制策等を推進。
 平成9年12月のCO2削減に向けた京都議定書(COP3)の採択、平成12年6月に施行された循環型社会形成推進基本法に基づく循環型社会の構築といった新たな課題へ対応していくため、より一層の取組みが必要。
 
4 さらに、企業間での情報共有化が進んでいない現状を踏まえた情報通信技術の飛躍的進展への対応、災害等の緊急時対策など国民生活を支える物流という観点からの取組みも必要。








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