日本財団 図書館


(11)共同集配
○天神地区共同集配システム
 昭和53年2月、全国に先駆けて福岡市天神区に導入された共同集配システムは、都市部における道路交通混雑や違法駐停車、及び自動車排出ガスによる環境問題等が全国的に社会問題化している中で、都市内物流効率化対策の先進事例として全国から大きな関心が寄せられている。
 平成6年9月これまでのシステムを再構築し、運送事業者36社、地元銀行4行の出資により設立された「全員参加型」の新会社「天神地区共同輸送株式会社」は、公共性・公益性の観点からも注目を集めている。
 しかしながら、昨今の長引く不況の影響等により事業環境が厳しくなっており、取扱貨物量は平成9年度と10年度は2年連続で減少した。今後、同システムの円滑な運営を確立し、地域への貢献を促進するためには運送事業者・荷主・地方自治体等関係行政機関が一体となって、本システムの課題の解決を図り、その拡充強化を図る必要がある。このため、これらの関係者において天神共同集配システムの推進方策を検討するため、平成11年度より3ヶ年計画で調査を実施している。
 なお、同システムの概要及びフロー図は、次の[2]及び[3]のとおりである。
 
[1] 天神地区共同集配の概要及び取扱個数の推移
区分 60年度 2年度 7年度 9年度 10年度 11年度 12年度
取扱個数 495,491 1,292,142 1,394,937 1,296,529 1,206,367 1,287,513 1,282,470
月平均
取扱個数
41,290 107,679 116,245 108,044 100,531 107,293 106,873
参加
事業者数
23 30 36 35 35 35 35
作業会社 会社 2 2 1 1 1 1 1
車両数 18 34 29 29 27 27 26
資料:九州運輸局自動車部貨物運送振興課
注)昭和62年度以降の参加事業者数、車両数は昭和62年6月からの数である。
 
[2] システムの概要
項目 区分
現状 備考
1.目的 天神地区において顕在化してきた交通混雑違法駐車及び排気ガスによる環境破壊等の改善を図る。  
2.運営主体 天神地区共同輸送(株)
※共同集配貨物のみを取扱う会社
 
3.参加事業者 天神地区において、集配業務を行う特別積合せ業者28社、一般貨物事業者7社の全員参加。  
4.対象貨物 当分の間、百貨店輸送及び専門輸送に係る貨物、地下街一元化集荷貨物等を除く、貨物を対象とする。(航空貨物は除く)  
5.対象区域 天神1丁目〜5丁目・西中洲(約70ヘクタール)  
6.実効性の担保 対象区域において、本システム参加事業者は原則として、直接的にも間接的にも自社による集荷配達は行わない。参加事業者間で「運輸に関する協定」を締結し、運輸局長の認可を受ける。 「運輸に関する協定」等については、H.6.8.31付けで認可
 
[3] システムのフロー
z1055_02.jpg
○ 熊本地区共同集配システム
 
 平成10年3月、学識経験者・トラック事業者及び関係行政機関等から成る「熊本市街地区物流対策推進協議会」より、熊本市街地区の交通混雑緩和や環境負荷等の軽減等のため、共同集配システムの事業化が望ましいとの提言がなされた。これを受けて関係者間で協議・検討の結果、平成11年10月、熊本県内最大の商業集積地の熊本市街地区(上通り・下通り・新市街)の約60ヘクタールに及ぶ商店街を対象に共同集配を行う「熊本地区共同輸送株式会社」の事業が開始された。同社は、トラック事業者20社及び地元銀行2行の共同出資により、「全員参加型」の会社としてスタートしたもので、既に平成6年9月に福岡市天神地区で事業開始をしている「天神地区共同輸送株式会社」に次いで全国で2例目の事業者全員参加型の共同集配会社となった。今後、同システムの円滑な運営を確立し、地域への貢献を促進するためには、貨物量の確保や駐車スペースの確保等の諸課題について、運送事業者・荷主・地方自治体等関係行政機関が一体となって取り組んでいく必要がある。
 
[1] システムの概要
項目 区分
現状
1.目的 熊本市街地区における交通混雑の緩和や自動車公害による都市環境の悪化を防止し、円滑な物流サービスを提供することにより、「人にやさしく地球にやさしい」都市環境を図る。
2.運営主体 熊本地区共同輸送(株)
※共同集配貨物のみを取扱う会社
3.参加事業者 熊本市街地区において、集配を行う特別積合せ業者20社の全員参加
4.対象貨物 宅配便を含む一般貨物(クール便、航空貨物は除く)
5.対象区域 上通り、下通り、新市街(約60ヘクタール)
 
[2] システムのフロー
z1056_02.jpg
2.貨物運送取扱事業
(1)事業者数の推移
 (各年度3月末現在)
区分 55年度 60年度 2年度 10年度 11年度 12年度
内航 第一種利用運送事業     304 312 323 321
運送取次事業     312 310 319 312
312 309 616 622 642 633
外航 第一種利用運送事業       8 8 10
運送取次事業     5 6 6 7
2 2 5 14 14 17
鉄道 第一種利用運送事業     15 11 11 11
第二種利用運送事業     119( 61) 127 130 130
運送取次事業     134( 61) 127 127 126
139 113 268(122) 265 268 267
自動車 第一種利用運送事業     3,458 3,981 4,055 4,127
運送取次事業     3,459 3,384 3,364 3,361
464 703 6,917 7,365 7,419 7,488
航空 第二種
利用運送事業
国内 19 20 22 26 34 34
国際 2 6 8 16 17 17
21 26 30 42 51 51
合計 利用運送事業     3,926( 61) 4,481 4,578 4,650
運送取次事業     3,910( 61) 3,827 3,816 3,806
938 1,153 7,836(122) 8,308 8,394 8,456
資料:九州運輸局自動車部貨物運送取扱事業課
注)鉄道欄の( )書は、貨物運送取扱事業法附則第10条の規定による確認事業者で内数。
(2)県別事業者数
 (平成13年3月末現在)
県別 事業種別 合計
利 用 運 送 事 業 運 送 取 次 事 業
機関別
内航 外航 鉄道 自動車 航空 内航 外航 鉄道 自動車
福岡 141 8 53 1,586 7 (0) 131 6 46 1,266 3,244
佐賀 3 1 8 261 0 4 0 8 288 513
長崎 44 0 8 404 0 44 0 7 366 873
熊本 10 0 14 378 1 (0) 9 0 14 310 736
大分 20 0 11 271 1 (0) 21 0 11 235 570
宮崎 15 0 5 217 1 (0) 13 0 5 180 436
鹿児島 60 0 9 481 3 (0) 64 0 9 426 1,052
山口 28 1 - - - 26 1 - - 56
その他 - - 33 529 38 (15) - - 26 350 976
合計 321 10 141 4,127 51 (17) 312 7 126 3,361 8,456
資料:九州運輸局自動車部貨物運送取扱事業課
注)1.山口県は、宇部市、小野田市、厚狭郡、下関市、長門市、大津郡及び豊浦郡を対象とし、海運のみを計上。
2.その他の欄は、主たる事務所(本社)の所在地が九州運輸局管外に所在するものを計上。
3.航空欄の( )書は、国際航空事業者数で内数。
(3)九州の鉄道貨物輸送量の推移
区分 単位 63年度 元年度 2年度
通運事業者数 92 94 93
通運実績 取扱A 千トン (4,787)
6,047
(5,624)
6,672
(6,185)
7,199
積卸 (7,774)
20,912
(9,343)
11,040
(10,870)
12,170
集配 (3,408)
3,759)
(3,786)
4,153
(4,096)
4,427
通運事業収入 百万円 11,396 13,693 14,550
 
区分 10年度 11年度 12年度
鉄道取扱事業者数 137 141 141
鉄道取扱実績 第1種利用 (114)
238
(397)
519
(259)
259
第2種利用 (4,249)
4,452
(4,108)
4,288
(2049)
2,191
取次 (1,346)
1,347
(1,495)
1,495
(3,391)
3,539
通運事業収入 36,672 36,807 33,923
資料:九州運輸局自動車部貨物運送取扱事業課
注)1.通運事業法が廃止されたので、平成3年度から区分を変更。
2.通運実績及び鉄道の取扱実績の( )書は、コンテナ扱いで内数。
3.平成3年度から鉄道取扱事業収入には、鉄道運賃を含む。
(4)鉄道に係る貨物運送取扱事業の駅別実績
【平成12年度】
 (単位:トン)
順位 駅名 発送 到着
1 福岡貨物
ターミナル
569,299
(564,683)
1,705,454
(1,698,174)
2,274,753
(2,262,857)
2 浜小倉 343,152
(343,152)
468,147
(468,147)
811,299
(811,299)
3 熊本 150,300
(150,300)
223,108
(223,108)
373,408
(272,408)
4 鍋島 198,838
(198,838)
75,172
(75,172)
274,010
(274,010)
5 大牟田 92,960
(91,987)
172,280
(39,931)
265,240
(131,918)
6 鹿児島 89,942
(89,942)
172,807
(172,807)
262,749
(262,749)
7 久留米 103,622
(103,622)
139,677
(139,622)
243,299
(243,244)
8 西大分 126,874
(125,054)
88,866
(88,113)
215,740
(213,167)
9 鳥栖 33,712
(33,712)
143,705
(143,705)
177,417
(177,417)
10 八代 122,840
(122,840)
46,919
(46,919)
169,759
(169,759)
資料:九州運輸局自動車部貨物運送取扱事業課
注)1.取扱数量の多いものから10駅を記載。
注)2.( )書は、コンテナ扱いで内数。








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION