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column
マリエラウェディング夢の仕掛人!!
西日本鉄道(株)
流通レジャー事業部
船舶担当
マリエラブライダルアドバイザー
大塚 とみ子
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 平成5年4月18日、博多湾クルーズ「マリエラ」が産声をあげました。ちょうど福岡ドームがオープンした年でもあります。「マリエラ」の名前の由来は、英語で“海の時代”(マリン:海、エラ:時代)の意です。「博多湾から新しい海の時代を切り拓いてほしい」という期待がこめられています。
 真っ白な船体に鮮やかなブルーのデザインラインをもつ「マリエラ」は、双胴船という、2つの船の上に積み木を載せたような形をしています。総トン数499トン、長さ40メートル、幅は13メートルあり、揺れに強い構造になっています。
 デートスポットとして人気のベイサイドプレイス博多埠頭から出航し、能古島やシーサイドももち地区の福岡タワーや福岡ドームを眺めながら戻ってくるクルーズでは、普段見ることのできないパノラマを堪能できます。
 そんなマリエラでウェディングを担当しているのが私です。平成5年5月、「マリエラ」で初めてのウェディングカップルが誕生して以来、今年で丸8年を迎え、これまでに300組を超えるカップルが誕生しました。マリエラの3階フライングデッキには、これまでに披露宴をなさった方のネームプレートが貼られたメモリアルボードがありますが、このボードを見る度に、お一人お一人の顔が走馬灯のように浮かんでは、“今、お幸せに暮らしているのかしら?”、“お子様は、いらっしゃるのかしら?”等々、様々な想いに駆られます。
 当初は、お客様も初めてなら、私たちスタッフも初めての船上ウェディングということで、大変、緊張していたのを覚えています。実は、私は観光バスガイドとして、入社しました。陸路のアナウンスは、慣れたものだったのですが、海の上での、しかもブライダルのアドバイスという仕事は初めてでした。「マリエラ」は、西鉄グランドホテルとタイアップしての営業ですので、ホテルでのウェディングを知り尽くしたスタッフと切磋琢磨しながら、船上の“マリエラウェディング”を形にしていきました。
 今では、船長立会いの人前式結婚式“マリンキャプテン”や、フライングデッキで、メモリアルボードに名前を刻み、ウェディングベルを鳴らすデッキタイムのセレモニーなど、マリエラウェディングならではの演出でみなさまに喜んでいただいております。
 数々の式の中でも、一番思い出深いのは、平成10年10月18日のことです。4〜5日前から、九州は台風に見舞われ、新郎新婦・ご家族はもちろん、我々も非常に気を揉んでおりました。ところが、前日には台風は東方に逸れ、当日にはなんと晴天に恵まれ、滞りなくウェディングを、執り行えました。非常に心配していた分、新郎新婦、ご家族の喜びもひとしおだったようです。
 実は、台風まではないものの、何度か雨天荒天にたたられることがありましたが、不思議にも出航の時間に合わせるように、雨が上がり、日が差すようなことが度々ありました。その度に、海の天気を司ると言われる海の神様への感謝の気持ちでいっぱいになったものです。
 これまでに、300組を超えるカップルにお会いしてきましたが、十人十色、いろいろな方がいらっしゃいました。ご親族の反対に会われながらも、なんとか式まで辿り着いた新郎新婦、仲むつまじい新郎新婦に対し、しっくりいかないご両家のご両親、ご本人よりもご両親の方が一生懸命なご家族など、いろいろな方の担当をさせていただきました。それが、私自身にとっても、大きな財産となっております。
 毎年、結婚記念日に合わせて、決まってマリエラにご乗船いただいているカップルが何組もいらっしゃいます。それが私にとっての何よりの喜びとなっております。これからもさらにたくさんのカップルに結婚記念日に乗っていただけるよう、努めてまいりたいと思っております。
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マリエラ








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