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(3)陸上交通について
 福岡市の陸上交通体系は、急速な都市化の進展に対する道路整備網の遅れ、鉄道網の不足等により、未だ十分には確立されていない。
 福岡市の交通体系は、都心部への都市機能の集中を反映して都心一極集中型となっているため、都心部やその周辺において交通渋滞が発生している。
 このような交通渋滞を緩和し、都市の均衡ある発展を促すため、自動車専用道路網を骨格とする広域交通ネットワークと、放射・環状道路の整備による扇形の道路ネットワークを有機的に連携させ、都心一極集中型からネットワーク型の交通体系への脱皮を図り、多核連携型の都市構造へ誘導することが重要である。
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道路整備の目標
 また、鉄道をはじめとする公共交通機関の役割を高め、大量交通機関を主軸として多様な交通手段が有機的に連携した総合的な交通体系を確立する必要がある。
[1]道路交通について
 多様な都市生活を支えるうえで必要な道路については、自動車専用道路、幹線道路、区画街路、特殊街路などの種別のもとに、都市施設として都市計画決定し、都市計画事業として整備が進められている。平成11年4月1日現在における福岡市の道路延長は全体で3764.4km、面積約26平方kmで、市域の8.0%を占める。また、都市計画道路のみをみると決定延長491.6km、整備延長270.1km、整備率54.9%である。
 今後は国道・国道バイパス等の骨格幹線道路を中心に、主要地区と周辺地域を結ぶ放射状、環状の幹線道路の整備を促進し、扇形の幹線ネットワークの形成を図り、西南部をはじめとする都市内交通の円滑化と都市機能の充実を図っていくための整備が行われる。
*自動車専用道路
 福岡市域内の自動車専用道路には、福岡北九州都市高速道路公社が運営する福岡高速1〜4号線及び国の福岡前原道路がある。
 福岡高速の現在の供用区間は31.5kmで、2号線は九州自動車道太宰府ICに直結、4号線も福岡ICに直結させるための延長工事が行われている。また、1号線百道〜福重間5.3kmが平成13年10月に供用開始され、同時供用される福岡前原道路福重〜拾六町間1.9kmと直結される。福岡高速は自動車専用道との直結により、九州各県の県庁所在地から一般道を通ることなく福岡市内への乗り入れを実現している。
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福岡都市高速道路(大宰府IC付近)
*福岡外環状道路
福岡外環状道路は、幹線道路ネットワークの形成、福岡市西南部の慢性的な交通渋滞の改善等を目的に整備が進められている。博多区西月隈〜西区福重間の16.2kmで、幅員40 mである。現在、城南区堤〜片江地区1.4km及び西区野芥〜福重間4.1kmが暫定供用中であり、平成15年春には堤〜野芥間が暫定供用開始予定となっている。
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福岡外環状道路(野芥〜福重)
[2]鉄道について
 JR等の私鉄と地下鉄によって形成される福岡市の鉄道網は、増大する交通需要に対する大量輸送機関として非常に大きな役割を果たしている。現在、福岡市営地下鉄3号線の整備や、JR筑肥線の複線化、JR篠栗線の電化をはじめとする既存鉄道の輸送力増強など、鉄道網の一層の充実が図られている。
*福岡市営地下鉄
 福岡市営地下鉄は、昭和56年7月に開業して以来、順次延伸を重ね、現在、空港線(1号線)姪浜〜福岡空港の13駅13.1営業キロ、箱崎線(2号線)中洲川端〜貝塚の7駅4.7営業キロ、2路線合計で19駅(中洲川端駅は重複)17.8営業キロとなっている。輸送人員は平成12年度1億819万4千人、一日平均約30万人の乗客を輸送している。
 また、空港線とJR筑肥線との相互直通運転をはじめ、西鉄大牟田線・宮地岳線、JR鹿児島本線・新幹線との接続、さらに福岡空港駅では福岡空港との直結により、利便性が飛躍的に向上している。
 さらに、現在福岡市西南部の慢性的な交通渋滞の改善を図り、均衡あるまちづくりを推進するため、計画延長約14kmの地下鉄3号線建設が進められており、このうち、西区橋本〜天神の12.7kmについては、平成17年度の開業を目指し整備を進めている。
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鉄道網図
*連続立体交差事業
 交通渋滞や地域の分断などの原因となっている鉄道と幹線道路との平面交差の解消を図り、市街地の均衡ある発展を促す事業として、連続立体交差事業が推進されており、これまで、西鉄大牟田線など4カ所10.32kmで実施されている。現在はJR鹿児島本線、箱崎線の東区箱崎、博多区吉塚地区約4.5kmの区間で、土地区画整理事業と一体となって進められている。
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連続立体交差事業(薬院駅)
3 福岡市の観光状況について
 福岡市の年間観光客数は1500万入。大都市としての魅力と博多湾に代表される美しい自然を併せ持ち、長い歴史の中で培われた伝統・文化に恵まれた独自の個性と魅力を持つ観光都市である。都市そのものを楽しむ「都市観光」、都心から至近距離にある「リゾート型観光」、さらに鴻盧館や金印に代表される「歴史観光」、博多祇園山笠や博多どんたく・港まつりなどの「祭り観光」、玄界灘の海の幸をはじめとする「グルメ観光」など、多様な魅力を備えている。








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