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5.海事産業振興マスタープラン
 私の派遣されたOMPCは、初めて、海事産業振興のための基本計画(1999-2006年)を作成し、2000年6月に閣議了解され、第9次国家経済社会開発計画(2002-2006年)とリンクする内容になっています。
 次の政策目標を掲げています。
1)外航海運の整備
 ・海上貿易貨物の自国船積取り比率のUP
2)内航海運の整備
 ・モーダルシフト(トラックから内航)
3)港の整備
 ・レムチャバン港のバース拡大
4)造船能力の強化
 ・漁船、引船及び1万DW未満の貨物船の建造
5)ICD及びCFSの整備
 ・港湾へのアクセスの整備
6)海事産業の人材育成
 ・船員等の人材の量的・質的向上
 これらの目標を達成し、自国の経済規模に見合った海事産業の育成を目指しています。
6.結び
 2年1ヶ月、JICA専門家として、造船業近代化のための技術移転を行いましたが、タイの人々から学ぶことも多くありました。1例として、タイの地方の家には、写真-5のような甕が軒下にあり、雨水を蓄えており、生活用水に使用しております。環境と共生した生活様式の素晴らしさ等多くのことを私はタイから学びました。
 最後に、国土交通省(旧運輸省)等の国際協力関係者及び民間の方々には派遣期間中には大変お世話になり、この紙面を利用して、深く感謝申し上げます。
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写真-5 軒下の甕
タイ政治、経済及び造船等現代年表    参考資料
  政治 経済 造船・港湾 東南アジア 日本とタイの関係
1970年代 73 学生民主化運動により軍部政権崩壊 73 タイ湾で天然ガス発見 *1957 英国造船経営者からBKK Dockを引き継ぎ国営造船所として、発足
78 Ital-tahi Marine設立
79 OMPC設立
71 マレーシア自由貿易区の制定
72 フィリピン戒厳令布告
(マルコス独裁体制成立)
73 米軍ヴィエトナムから撤退
75 南ヴィエトナム政府崩壊
75 カンボジアポルポト政権
(50万人大虐殺)
74 田中首相タイ訪問。学生の反日抗議デモ
1980年代 82 ラタナコーシ王朝(現王朝)200周年
プレム長期政権
88 総選挙
タイ国民党チャーチャーイ首相
"インドシナを戦場から市場"
82 外国企業規制緩和
80 年代外国からの直接投資急増
80 Marsun FRPboat主に新造する工場を設立
83 ASIMAR修繕業開始
(FLDk8千DWT)
81 マレーシアマハティール首相就任「ルック・イースト政策」
86 ヴィエトナムのドイ・モイ政策
86 フィリピンアキノ政権誕生
88 ミャンマー軍事政権
東部臨海開発に開発調査と円借款
85 プラザ合意以後円高
88 タイ・日修好100周年を記念して、中曽根首相訪タイ
1990-1997 91 クーデター
92 流血の5月
92 総選挙
穏健中道"民主党"
95 総選挙
国民党等6党連立政権
高経済成長率を維持
91 「南・南協力」スタート
91 東部臨海地区Laem Chabang Port開港
92 同地区Map Ta Phut Port開港
93 Uni-thai外航船修理業開始(能力15万DWT)
93 ASIMAR施設拡大(FLDk 2万DW)
95 東部臨海地区Sriracha, Siam Seapod開港
91 カンボジア平和合意
92 フィリピンラモス政権
93 AFTA成立
95 ヴィエトナム米と国交正常化
95 ヴィエトナムASEAN加盟
95 メコン川開発協定調印
93 無償資金協力終了
1997-2001 97 総選挙民主党等8党連立政権
01 総選挙タイ愛国党下院で過半数
97 金融危機発生
(1ドル:25→50バーツ)
99 OMPC海事振興マスタ一プラン
01 Uni-thai施設拡大
97 ミャンマー、ラオスASEAN加盟
99 カンボジアASEAN加盟
98 通貨危機後のタイを緊急支援(バンコク地下鉄建設事業等約498億円)








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