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*タイ
 (スナンタ)(スライド映写)タイ喉摘者協会のカルーン会長は食道発声をマスターしていて、若くて、エネルギッシュに喉摘者達の食道発声習得をサポートしている。この方々のおかげで会員達は、食道発声により不安のない生活を送っている。
 1975年に喉摘者達によってシリラート失声帯クラブが設立された。メンバーは食道発声の出来る者出来ない者が混在していた。
 徐々にクラブの会員数も増えていった。その後バンコクやタイの各県の他の病院にも失声帯クラブが出来ていった。例えば北部のチェンマイ、北西部のコーンカエン、西部のカンチャナブリ、東部のチャンタナブリなどに。
 1987年にバラバラだった各地域のクラブがシリラート病院のクラブを母体にして、タイ喉摘者協会(LAT)としてひとつにまとめられた。シリラート病院は国立のマヒドール大学の病院です。協会の活動はだんだんに活発になり、クラブの数も増えてきた。2001年3月現在でタイ国内に16のクラブと3000人のメンバーを抱える。タイ喉摘者協会は国内のみならず、海外との交流を深めて国際レベルに高めたい。
 Ginreikai/AFLAがタイ喉摘者協会を支援し始めたのは1987年で、毎年、食道発声訓練のためにタイから3人の喉摘者を日本へ呼んでいただいた。日本でのその研修期間は2〜3週間である。
 昨年6月、シリラート病院では、このように努力してきた優れた指導員6人に記念の楯を贈り表彰しました。2回目の表彰は12月に行われた。
*フィリピン
 (ツアゾン)フィリピンは何千という島々で構成され人口約7500万人で全体の把握がむづかしい。AFLAのおかげで1997年4月にフィリピン喉摘者クラブ(PLC)が発足した。フィリピン喉摘者の熱望に応えて、Dr.ツアゾンの他ベテラン記念病院耳鼻咽喉科のDr.Celsoが会長をしている。当初は傷痍軍人だった8人のメンバーから始まった。クラブ発足と同時に1997年6月フィリピン喉摘者基金(PLFI)が発足した。この基金をもとに運営されるようになった。これは医学関係の人と医学に関係ない人達とで構成されている。このPLFIは非営利団体でPLCの活動を維持・助成している。PLFIは喉摘者が医学的コンサルティング・手術前の相談、手術後のケア、リハビリなどを受けられるリハビリセンターを計画している。
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 PLFIとPLCは他の外国のクラブとも交流を図るように努めている。
 1997年以来活発にやってきたが昨年3月にはTVにも取り上げられ、PLFIの会長のDr.CelsoUretaがインタビューを受け全国放送で流れた。
 また、昨年8月には日本から久永・松本両先生を招き食道発声の研修会をフィリピン総合病院で行い、20名の喉摘者が参加した。
 今年の日本でのJICAの研修にフィリピンから派遣することが決定しており、今準備している。
*ネパール
 (プラサド)1999年5月から2001年4月の2年間の報告書です。
 ネパール喉摘者協会(NLA)は1992年にたった5人の喉摘者で発足した。現在会員は喉摘者52名、健常者の準会員が13名。
 準会員には決議権がない。会長はシュレスタ氏(Ms.Sekhar Lai Shrestha)で、ネパール耳鼻咽喉科の最長老Dr.L.N.プラサドがパトロンをしている。
 ネパール喉摘者協会(NLA)の活動として食道発声の基礎研修:1996年に開始したが、今は定期的プログラムとして定着。1回のコースは2ヶ月で訓練費用は無料である。訓練のためにカトマンズまで来る交通費は喉摘者本人と家族1名分はNLAが支払う。また喉摘者分の宿泊費、食費、雑費を支払う。要するに喉摘者自身は一切負担が無い。
 研修は1回に3〜5人の喉摘者のグループで開かれる。過去2年間に30名の喉摘者がこの食道発声基礎研修会を受講した。
 このプログラムの費用はデンマーク喉摘者協会からもらっている。
*パキスタン
 (ジャリシ)カラチのJ.J.病院に本部を置くパキスタン喉頭癌クラブというものを持つ。クラブの活動内容としては各地に支所を増やす。
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 先ず最初の県としてラホールのシェイク・ザイデ(Sheikh Zaid)病院でスタート、既にアラマ・イクバル(Allama Iqbal)医大に所が出来た。
 食道発声の指導員を養成する特別コースがカラチとラホールで開かれた。ラホールでのこのコースに最も関心を持っているのはイクバル・ブット(Iqbal Butt)教授である。
 食道発声研修用の数本やパンフレットが喉摘者のために出版された。
 カラチのJ.J.病院でアメリカ喉摘者クラブから寄贈された映画の映写会を開催したが、多数参加した。パキスタンには現在8つの支所があり、喉摘者会員は236人になった。その内実力のある者は21名である。
*マレーシア
 (アミン)マレーシア喉摘者協会は1985年にDr.ガバチャンとダトーナイヤー氏とで設立した。最初は地域のセランゴール喉摘者協会といったたが、1998年にマレーシア喉摘者協会と名称を変更した。
 マレーシアの人口は2300万人ですが当協会はマレーシア全土を含む。会員数は2 32名で、活動している喉摘者は32名、活動していない喉摘者が180名、プロのメンバーが20名である。
 2000年6月KLマラヤ大学医学部において、日本から中村先生、久永先生、坂上先生を迎えてハイレベルの食道発声研修会が開催された。
 10人の新入会員とある程度出来る5人の喉摘者が研修会に参加した。そして医師や5人のスピーチセラピスト(ST)、10人以上の医学生が参加した。研修の結果、ある程度出来る人たちは発声能力が進歩し、新入患者では10人中5人がしゃべれるようになった。
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