6.追い波に弱い船は、舵を大きく長くすると有効です
同じ船でも舵を大きくするとブローチングを起こし難くなります。
もし、追い波に弱い船がありましたら、同じ位の大きさの船と舵を較べてみて下さい。また、舵が外舵で船尾遠く張り出ているような船の場合は、ブローチングの初期に舵が水面から出てしまうため、ブローチングに対する抵抗力が弱くなります。
このような船の場合、舵は長く、舵面積も大きくすると効果があります。
7.荒れてきた時は、安全なコースを選びましょう
ブローチングは荒れた海面ほど起きやすく、またその度合も強くなりますから、時化てきたら遠回りでも、波高や潮流の少しでも穏やかなコースを選ぶとか、斜め追い波となるようなコースを避けるようにしましょう。
8.荒れた海では舵を早め早めにとりましょう
止むをえず追い波を受けて航行する場合は、できるだけ斜め追い波とならないよう、また、波の下り斜面では、進路が不安定となる前に早め早めに進路を修正するようにしましょう。ブローチングの発生の初期に素早く操舵することにより、或る程度ブローチングが避けられることがわかりました。
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9.止むをえず追い波を受けて走らなければならないときは、波に合わせてスロットル操作をしましょう
[1]船速が波速より十分に速く波を追い越して進む場合
危険な海面は全速力で乗り切りたくなりますが、船首が前の波の谷に突込むと危険ですので、速力の増加は波の上り斜面で行ない、船体が波の頂上を越える少し手前から減速し、船首が前の波の谷へ突込むような状態になるのを避けましょう。
[2]船速が波速より少し速く、ゆっくりと波を追い越して進む場合
ブローチングは波の下り斜面で起きますから、前の波の上り斜面にはり付くようにして進むとブローチングの発生を避けることができます。
[3]船速が波速より遅く追い波に追い越されて進む場合
追いつかれた波の下り斜面では、船速をデッドスローにして危険なサーヒィン状態となるのを避け、なるべく早く波を通過させ、次の波の上り斜面ではできるだけ長い時間波の斜面につかまるよう増速し、波の下り斜面と上り斜面で交互にスロットル操作をしましょう。
本稿は、日本小型船舶検査機構発行のパンフレット「小型船舶のブローチングを回避するために」より転載いたしました。