選定した基本水準標の準拠楕円体高の測量を下記の方法により実施した。測量実施期間は平成13年10月14日より10月26日である。

　

　

　今回選定した8地点の基本水準標は、いずれも標石の直上にGPS受信アンテナを設置することが困難な場所、または衛星を十分な時間捉えるための上空の視野が狭い場所であったため、基本水準標近傍に偏心点を設けてGPS測量を実施した。偏心点の設置にあたっては、基本水準標との関係を求めるため、往復の水準測量を実施した。水準測量は、偏心点から基本水準標までの見通しが悪い場合は、仮設点を設けて実施した。

　GPSアンテナは、測量用三脚を用いて偏心点上に設置した。

　偏心点におけるアンテナ高は、アンテナ斜高から算出したグランドプレーン下面までの直下高とグランドプレーン下面からアンテナ位相中心までの距離を加えたものである。アンテナ斜高は、3方向から測定した平均値を決定値とした。

　基本水準標頂から測量点の位相中心までの高さ(以下、BM上のアンテナ高と記す。)は、水準測量結果と偏心点におけるアンテナ高を加算して求められる。

基本水準標の準拠楕円体高の測量方法を図2に示す。

　

　GPSによるスタティック測量に用いた受信装置及び測量時間を表2に示す。受信機及びアンテナは、昨年と同じTrimble社製のものを使用した。測量時間は、昨年度実施した2時間以上のスタティック測量では得られた測量成果が一部不十分であったため、今年度は昨年よりも1時間長い、3時間以上とした。

　

　

　GPS測量点の楕円体高は、国土地理院の電子基準点データをもとに算出した。基準として使用した電子基準点は、各基本水準標測量地点から近く、測量地点との標高差が150m未満で、衛星の配置が良好であったものを3点以上選出した。解析に使用した電子基準点の概要を表3に示す。

　

解析は、昨年と同様にGP Survey 2.35ソフトウェアを使用し、基準とした電子基準点ごとに測量点の楕円体高を算出した。測量点の楕円体高は、電子基準点ごとに算出された値の平均値を決定値とした。

GPS測量結果及び算出した基本水準標の楕円体高を表4に示す。