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[33] 接水防撓パネルの固有振動数推定法に関する研究 ―簡易推定法の導出とニューラルネットワークを用いた推定精度向上について―
古野弘志(名村造船所)、北村 充(広大)
 
 遺伝的アルゴリズムを適用して船体構造最適化を行う場合、計算時間が速くかつ比較的推定精度の良い簡易強度評価法の導出が重要となる。
 本論文では、この様な観点から接水防撓パネルの固有振動数評価に注目し、エネルギー法による防撓材の面外変形影響を考慮した簡易推定法を導出する。また、ニューラルネットワークの学習能力に着目し、FEM結果と簡易推定法による結果との差を学習させ、簡易推定法の推定精度向上を試みる。

Comparison of natural frequency

[34] すみ肉溶接時に生じるねじれ変形の簡易推定法
後藤浩二、豊貞雅宏(九大)、武市祥司(東大)
 
 本研究では、変形発生源を考慮した弾性有限要素解析手法の一つである等価固有ひずみ法に、すみ肉溶接ビードを梁要素でモデル化して導入し、縦収縮力作用位置をより正確に表現することで、外板のねじれ変形を伴う場合などの、大きな溶接変形を生じる場合の解析精度向上を試みた。その結果、本論文に示したモデリング手法により、従来の等価固有ひずみ法では表現することができなかった、ベース板のねじれ挙動が表現できることが判明した。

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溶接変形推定例

[35] 残留応力制御型TMCP鋼板の有効性検証(第1報)スリットスロット切断時の変形に及ぼすTMCP鋼板の残留応力の影響
谷徳孝、岡田順応、大江憲一(神鋼)、宮崎建雄(日造)
 
 高い寸法精度が要求される直線ブロック組立におけるトランス材のスリットスロット切断を対象として、熱弾塑性FEM解析および実切断実験により、切断後の形状と圧延残留応力分布の関係を検討した。その結果、スリットスロット切断時の切断精度に及ぼす残留応力の影響は大きく、従来のTMCP鋼板は大きな変形が発生するのに対し、残留応力制御型TMCP鋼板は、変形量および変形ばらつきとも小さく、高い精度が要求される場合には、本鋼板の適用が効果的であることを実証した。

Longitudinal deformation after laser cutting

[36] 知識ベースを用いた造船用自動工程設計システムの開発
佐々木裕一、尊田雅弘、伊藤 健(三菱重工)
 
 本研究では、ACIMプロジェクトで開発された工程設計アプリケーションをベースに、当社固有の工程設計手順知識の知識ベースヘの追加、GUIの改良、物量算出機能の追加、倣い工程設計機能の新規開発、当社造船CADシステムMATESとの連携機能の追加を行い、実用システムを開発した。開発した工程設計システムは、下流生産設計フェーズから実船適用を開始しており、将来的にはブロック分割支援システムと連携した工法シミュレーションシステムとして上流生産設計フェーズヘの適用が可能である。

MHI工程設計アプリケーション








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