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[29] 中間切り離しライザーの挙動解析
安川宏紀、尾崎雅彦(三菱重工)、小暮栄治、
大橋正人、石田浩三(日本海洋掘削)、平山裕章(石油公団)
 
 有限要素法と大楠法の2つの計算法により、上端部に空気缶システムを備えた中間切り離しライザーの挙動解析を行った。検証データを得るため、実機で長さ750mに相当する約16mのライザー模型を用いて水槽試験を実施した。比較の結果、2つの計算手法は、結合時、非結合時、フリースタンディング時の3つのモードにおいて、変位、曲げモーメント、張力、ライザー傾角を実用十分な精度で予測可能なこと、またフリースタンディング時のライザーに作用する曲げモーメントは小さく、中間切り離しライザーシステムの利点が明らかとなった。

空気缶(A/C)の有無による潮流中静的挙動の比較
(結合モード、左:変位、中:曲げモーメント、右:傾角)

[30] 非保存力学系の動的挙動と不安定現象に関する研究(その2)円形アーチのカオス挙動へのシナリオとフラクタル性
福地信義、田中太氏(九大)
 
 水圧による従動力を受ける円形アーチ構造を対象として、負荷時の擾乱による動的挙動を解析し、その不安定現象の安定限界の近傍でのパワースペクトル、応答波形、相平面およびポアンカレ断面およびフラクタル(相関)次元について計算し、その準周期運動からカオス非周期運動に至るまでの現象を解明し、さらに動的挙動のフラクタル性について調べた。

擾乱の大きさと相関次元の関係

[31] 接水弾性平面板の固有振動解析
惠藤浩朗、丸吉孝一(日大院)、西條 修(日大)
 
 水面に接水する弾性平面板の、固有振動数、振動モード形に依存した付加質量を、アスペクト比、スケールを変化させ、実験モード解析により求めた。得られた付加質量の分布傾向を考察し、通常の振動解析用構造計算プログラムに組み込むことが可能な付加質量の実用的な算定方法を提案する。本研究目的は水を考慮した連成固有振動解析の実用的な計算方法を得ることであり、計算結果よりその妥当性を検証した。

Transformed practical added mass per unit area divided by length(b)

[32] 船体振動の減衰同定法の研究(第1報)
武田 裕(IHI)、根木 勲(アイテック)
 
 船体振動で精度良い応答予測をするためには、精度の良い減衰を使用することが重要であるが、減衰を理論的・解析的に求めることができない。このため従来は対数減衰率などのかたちで実験的に求めて、モード減衰係数として使用することが多かった。
 本論文では構造をFEMでモデル化し、強制振動方程式にて減衰マトリックスが[C]=α[M]+β[K]の形に従うものと仮定し、直接周波数応答計算をおこない、反復法にて係数α、βを実験結果から同定する方法を検討した。模型架台の起振機試験結果の同定結果などから、本法が有効であることを確認した。

模型架台起振機試験の共振曲線振幅同定結果








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