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[25] 緩衝型船首構造の耐衝突性能 ―第1報 簡略モデルの崩壊強度―
遠藤久芳、山田安平(船研)
 
 衝突時に相手船に重大な損傷を与えないためには船首構造、特にバルバスバウ、を緩衝型にすることが有効である。バルバスバウを緩衝型とするためには横肋骨(リングフレーム)様式が有利であるといわれている。バルバスバウを模した横肋骨方式の円錐型模型を用いて、圧潰実験を行い崩壊特性を調べた。バウ先端から逐次崩壊して提灯のように圧潰するモードがエネルギー吸収性能の上で有利であることが確認された。緩衝型船首の圧潰を円錐筒のFoldingにモデル化して簡易塑性解析を適用した。実験結果およびFEM解析結果と比較検証することにより、この簡易解析法の妥当性が確認された。

Foldingの繰り返しにより同心円状に圧潰したバウ模型

[26] 重合メッシュ法によるシェル・ソリッド混合解析
中住昭吾、鈴木克幸、大坪英臣、藤井大地(東大)
 
 重合メッシュ法を用いてシェル要素とソリッド要素を重合して解析する手法を提案した。またこの手法をき裂面を含む板の3次元解析に適用し、ズーミング法よりも精度が高い解が得られることを、詳細なソリッドモデルによる解析結果と比較することで検証した。また、き裂の影響がグローバルメッシュにも反映されること、そしてズーミング法では適用が困難な斜めのき裂にも容易に適用可能であるという、ズーミング法に対する重合メッシュ法の利点を示した。

亀裂開口変位

[27] Stress Analysis of an Undulated Plate by the Combined First Order Perturbation and Alternating Method
角洋一(横国大)、A. Rahbar Ranji(横国大院)
 
 腐食鋼板などの表面不整によって誘起される表面応力の計算は経年船舶及び海洋構造物の強度評価に関係した重要事項であるが、典型的なマルチスケール問題であるために、通常の有限要素などの解析になじみにくくあまり研究が進んでいない。本研究では、不整のある板表面の境界条件を第1摂動法で近似的に満たすとともに、表裏面の相互影響をSchwarz-Neumann法により満たす解法を提案する。

3次元的表面不整の解析

[28] 海中大型軸対称シェル構造物の波浪荷重解析
豊田和隆、安澤幸隆、香川洸二(九大)
 
 海中大型軸対称シェル構造物は著者等が考案している、貯蔵設備および居住空間としての使用を目的とした大型の海中構造物である。本研究では軸対称シェルに規則波が入射した場合を想定し、この時に発生する反射波を数値的に解析し、シェル構造物に作用する波浪荷重とその分布を明らかにしている。また、自由表面隆起分布への影響についても検討している。









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