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5 遠心分離機
 精密フィルタで微細なスラッジを捕捉することから、高回転による大きな分離能力を必要とせず、シンプルな構造で、故障も少なく取扱いも簡単です。また水を使用しないため、廃油水は発生せず、スラッジが処理の簡単な固形状となり排出されます。従って潤滑油に水が全く入らず、また潤滑油の損失もほとんどありません。
[図1]LUBCLIN系統図
 
6 精密フィルタ(ネフロンフィルタ)
 LUBCLINの心臓部であるネフロンフィルタは、1μm以上の微細なスラッジを捕捉する能力と、捕捉したスラッジを出来るだけ多く内部に保持〔図2〕出来る能力とを有します。原理はロール状の積層エレメントを使用し微差圧(0.05MPa)で潤滑油を濾紙間隙に通しスラッジを濾紙表面に付着させるものです。まタ、エレメント全体(立体)でスラッジを保持するため従来の貫通タイプのフィルタとは異り、保持容量が大きく交換頻度は年に1〜2回程度です。推奨交換時間は3000〜4000時間です。フィルタはペール缶に収納されておりフィルタを直接手で触ることなくペール缶ごと交換可能です。取り替えたフィルタの処理は、ユーザで困難な場合は、販売元が有料で引き取り処理(住本科学で焼却)することも可能です。

[図2] ネフロンフィルタの構造
 
7 性能
 実プラント(B重油・清浄装置なし)6L34Xで約5366時間使用した潤滑油を回収し、本装置の性能を確認致しました。LUBCLINの清浄による潤滑油中の粒径の変化を〔図3〕に示しますが、粒径1μm以上の微細なスラッジが除去されていることが判ります。
 さらにLUBCLINの清浄により潤滑性が回復するというデータも得られました。
[図3] 潤滑油中の粒径分布の変化
 
8 効果
 LUBCLINが、実際のコージェネレーションシステムで使用された効果の実例を〔図4〕
に示します。LUBCLINを設置することにより、軸受けの摩耗量が大幅に改善されていることがわかります。このように、LUBCLINを使用した場合、ディーゼル機関の摺動部分が非常に良好な状態に保たれる結果となっています。
[図4] クランクピンメタル磨耗量の比較
 
9 おわりに
 環境面に大いに役立つのみならず、経済性、省人化といった観点からも大きな利点を持ち合わせる潤滑油清浄管理装置「LUBCLIN」を、当社では幅広い出力レンジをカバーできるように全自動型他各種シリーズ化し用意しております〔図5〕。今後、次世代を代表する新中速シリーズ機関にはLUBCLINを標準装備し、より高い信頼性を御提供致します。また、従来型清浄装置で廃油処理・分解整備の後継者にお困りのユーザの皆様にも、LUBCLINへのリプレイスという形で経済性・高信頼性を提供できるものと確信しております。
[図5] LUBCLlN標準選定範囲








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