・国籍や出身地を問わず誰でもである。
―国際化社会を反映して外国人も増えてきましたが、我が国ではまだ外国人の存在が無視されている場合が少なくありません。生活習慣や文化の違いを受け入れるまちづくりが望まれます。
誰でもにとって住みやすく懐の深い社会づくり、特にマイノリティ(少数者)の権利を保障するノーマライゼーションのまちづくりを目指したいものです。
■ノーマライゼーション
デンマークのバンク・ミケルセンが知的障害をもつ人々の処遇に関して唱え、北欧から世界へ広まった理念です。障害のある人々を特別視するのではなく、ともに生きる社会こそノーマルであり、そのため一般社会の中で普通の生活が送れるような条件を整えるべきであるとする考え方です。
●トイレからの出発
ここまでまちづくりについて述べてきましたが、それではトイレとまちづくりにはどんな関係があるのでしょうか。
実はトイレは、生活環境やまちづくりにおける多くの要素を持っています。次ぎにそれを挙げてみましょう。トイレとまちづくりの関係がおのずとおわかりいただけると思います。
・トイレは建物、まち、山、海等々およそ人のいるところには不可欠の存在であり、トイレがなければ生命の維持さえあやしくなります。
・したがって、誰でもが関心のある場所であり、トイレづくりには多くの人々の参加が期待されるという特性があります。
・環境保全の問題と大きくかかわる場所です。特に排水処理にからんで環境保全問題とのかかわりを強く意識できる場であり、環境教育の大切な材料となります。
公共トイレは点景として風景を構成する大事な要素。美しいまちをつくるにはトイレのデザインをおろそかにできない。