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第1章 調査研究の目的及び概要

 

1.1 調査研究の目的

本委員会は、DSC小委員会への対応を検討するために海上運送に関する専門家により構成され、各国提案文書の詳細を検討し、日本意見をとりまとめ、そして同小委員会及び作業部会へ日本意見を反映させるために専門家を派遣する。

弊会では平成6年度から8年度に「貨物の液状化特性に関する研究」を実施し、固体ばら積み貨物が「航海中に液状化する恐れのある貨物」か否かを判定する「液状化物質判別試験法」を開発した。DSC小委員会では、この方法の有効性を検討するためのCorrespondence Group(以下「C.G」。)を設置し国際共同研究を行うこととなった。本調査研究では、C.G対応及びDSC小委員会に提案するため、「液状化物質判別試験法」の有効性を確認する試験を実施した。さらに「液状化物質判別試験法」の国際的な普及を図るために、試験の成果を国際シンポジウムで発表した。

一方、海上運送上問題となっている荷崩れの危険性があるニッケル鉱の安全輸送に関する研究を引き続き行うことにより、もって危険物及び固体ばら積み貨物海上運送の安全性向上に資することを目的とする。

 

1.2 調査研究の概要

1.2.1 DSC6等への対応

平成13年7月に開催されたDSC小委員会第6回会合(DSC6)においては、IMDG Codeの強制化、IMDGコードの改正、BC Codeの改正等多くの事項について審議された。次章に述べる通り、本委員会は、DSC6に向け、各国からの提案に対して日本意見を集約し、以下の項目について詳細な作業・検討を実施した。

(1) IMDGコードの第29回、第30回及び第31回改正内容

(2) 液状化物質判別法Corresppndence Group (C.G)への対応

(3) 非風雨密ハッチカバーを有するコンテナ船における危険物の積付・隔離要件

(4) 新様式IMDG Codeの強制化

(5) BC Codeの改正

検討の結果、本委員会の検討により以下の提案文書案が作成され、国土交通省海事局を通してDSC6に提案された。

(1) DSC6/5/3:固体ばら積み貨物の液状化可能性の評価に関する通信グループの中間報告

(2) DSC6/5/5:新BCコード案(DSC6/5/1)に対するコメント

(3) DSC6/9/1:コンテナ船の部分的風雨密ハッチウェーカバーを有する船倉に係るIMDGコードの改正提案

(4) DSC6/INF.2:部分的風雨密ハッチウエイカバーを有するコンテナ船に適用する貨物コンテナの積載・隔離要件に関する調査報告

これらの件に関する日本の主張は、DSC6において概ね了承された。なお、DSC6における審議結果の承認は平成14年5月の第75回海上安全委員会においてなされる。

 

 

 

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