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白書は語る

ワーストワンはモーターボートの海難事故

 

平成12年9月、海上保安庁から「海上保安白書」が出されました。同書は、ますます多様化し、複雑化する「海の広範な危機管理」を見事成し遂げた海上保安庁の日夜を分かたぬ一年間の活動の記録といえましょう。

私たちが日常何げなく楽しんでいるマリンレジャーは、危険がいつも隣合わせにあることを改めて知らねばなりません。頭では分かっていながら、何となく手を抜いたり、実行しなかったために、致命的な事故につながった例も少なくないのです。

ここでは、同書第1部「安心して海に親しむために」から抜粋して、海難事故の実状と安全に対する心構えを取り上げてみました。

今年こそ、安全意識の高揚と無事故目指して、「ワーストワンは、モーターボートの海難事故」の汚名を返上したいものです。

 

プレジャーボートの要救助船を海難種類別でみると、多い順から、機関故障(一八四隻)、乗上げ(一一六隻)、衝突(一〇七隻)となっている。

また、海難の原因別では、見張り不十分、操船不適切、機関取扱い不良等の人為的要因によるものが、五七五隻と全体の七五%を占めている。

プレジャーボートの要救助船を船型別でみると、モーターボートの占める割合が大きく、五七六隻と全体の七六%を占め、次いでヨット(一三%)、水上オートバイ(六%)、手漕ぎボート(五%)の順となっている。

平成7年から11年の過去5年問のプレジャーボート要救助船隻数の推移をみると、モーターボートが右肩上がりで増加をたどる極めて好ましくない傾向を示している。

 

根強いマリンレジャーの人気

 

小型船舶操縦士の受有者数についてみると、1級から3級はここ数年60万人台で横ばい状態にあるものの、4級は年々増加している。

また、5級の資格が平成10年5月に創設され、ますます小型船舶でマリンレジャーを楽しみやすくなっている。

さらに、プレジャーボートも、パッケージボートが開発され、価格も手頃となり増加傾向にある。

 

プレジャーボートが漁船を抜き海難事故は第一位

 

平成11年に救助を必要とした船舶は一、九二〇隻でこれに伴う死者、行方不明者は一四六人であった。

 

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プレジャーボート要救助海難船舶隻数(海難原因別)

 

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モーターボート要救助海難船舶隻数(海難種類別)

 

 

 

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