シハヌークビル港
首都から200km離れたシャム湾に面した港湾。水深10-11mの延長250mの桟橋および水深10m(現有水深7-8m)延長350mの岸壁が主な施設である。同港では1997年に約80万tの貨物を扱っている。その半分はコンテナである。個数でみると約6万TEUである。岸壁の背後にはADBの援助によりコンテナヤードなどが整備されているが、ガントリークレーンはなく、船のクレーンを利用している。シンガポール、タイ等と結ぶ定期航路が寄港している。なお、桟橋は老朽化が著しく利用には制約がある。今後のコンテナの増大に対応するため、我が国の協力によりコンテナターミナルの建設が準備中である。
内陸水運
船舶登録、事業者登録、検査体勢が整っていない。
プノンペンからシェムリアップまで乗船時間約5時間、飛行機の半値の高速ボートが就航し、コンポンチャム、ストュン・トレンと経路を増やした。
年間を通じて安全で快適に利用できる内陸水運、船着場の整備がなされていないため個人経営の川岸の何処でも着桟可能な民の独航船がヴィエトナムとの間を往来している。
鉄道
カンボジア国鉄(CFRC)
延長650kmのメーターゲージ(軌間1,000mm)
旧線(北線)
プノンペンとタイ国境のポイペト間(バッタン、バンシソフォン間経由)
1929〜43年にカンボジア内陸部の豊富な農林産品を輸出するために建設
延長385km、鋳鉄製の枕木30kg/mレール、最大軸重13t
開業以来特に改良されていない。内戦時代に地雷を仕掛られる等で破壊され状態は悪く、特に西端のシソフォン、ポイペト間の48kmは使用できない。
新線(南線)
プノンペン-シハヌークビル港(カンボジア唯一の大深水コンテナ港)間
1965年〜69年深水港と首都を結ぶため建設された。
延長265km
木製の枕木45kg/mレール、最大軸重20tだが、橋梁がかなり傷んでいるため現在は約15tに制限
内戦時代に被害を受けたが北線に比べると状態は良い。
1993年の統一選挙以降、ADBが援助をしたが、疲弊がひどく平均速度が実質20km/h程度。
航空
民間航空使用は8空港。
首都のポチェントン空港は滑走路が、3,000m、観光地シェムリアップ空港は滑走路が、2,500m。
シェムリアップ空港には飛行経路の直下にアンコールトムがある。カンボジア上空の航空管制はタイ管制公社が行っている。
次世代管制方式を2010年目標に取り入れようとしている。
なお、高垣講師の寄稿文は本誌No.127(2000.8.9月号)に掲載しています。
5. 協会職員の異動
以下のとおり、職員の異動があった。
退職
(平成12年12月31日付) 開発部長 上枝弘幸