2.2 ミャンマー国
インドシナ半島の西側、東アジアとインド大陸の間に位置したミャンマー国は、南北に細長く、北部が温帯、中部と南部が熱帯に属した面積67万6,552Km2(日本の約1,8倍)の国である。また、多様で豊富な天然資源と豊かな米の生産、質の高い人的資源に恵まれた古くから仏教文化の栄えた国である。
人口は、4,640万人で全人口の約70%をビルマ族が占め、シャン族、カレン族、カチン族、チン、モン、ラカイン等135といわれる少数民族からなる。
宗教は、国民の85%が仏教徒で、キリスト教、イスラム教の信者も少数ながらいる。
経済については、95/96年度において1人当たりの名目GDPは13,704チャットとなっているが、チャット/ドルの為替レートが公定で1ドル=5,6チャット、実勢で1ドル=165〜170チャット程度と非常に差が大きいことから、ドルベースでの1人当たりのGDP額は換算が難しいが、生活実感として400〜600ドル程度ではないかとの見解がある。
この国は、伝統的に農業国であり、農業部門はGDP構成比の46.3%を占めるが、製造・加工業は9,4%と低く、農業部門への依存度が高いのが特徴である。
対外的には、外国による干渉を排除して国際紛争に巻き込まれないとの観点から非同盟中立政策を基本方針としている。
88年以降欧米諸国との関係が冷却化している中、1998年7月ASEAN加盟が実現し、中国、ラオス等の近隣諸国との協力関係の緊密化に努力している。
我が国との関係は、緊密で良好な関係にあり、我が国援助の重点国の一つとして位置付けられてきたが、政情混乱が発生、これらが長期化したこと、その後のクーデターにより誕生した国家法秩序回復評議会(SLORC)との間に正常な政府関係がなかったことにより対ミャンマー援助は事実上停止した。
現在対ミャンマー援助は、民主化及び人権状況の改善を見守りつつ当面は既往継続案件や民衆に直接稗益する基礎生活分野(BHN)を中心に検討実施されている。
さらに緊急的、人道的援助として草の根無償資金協力が実施されている。また技術協力は、保健、医療、農業、民主化、経済開放に資する協力等が実施されている。
ミャンマー国の首都は、ヤンゴンで、経済開放政策後、自動車の数が爆発的に増加、市内では渋滞も見られる。しかし町中は緑が多く、歩路地に入れば静かな町が感じられる。また多く見られるパゴダの中には信心深い人が集まりのんびりと時を過ごしている光景が見られる。