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第2章 調査国の概要

 

2.1 スリランカ国

インド大陸の南東端に位置したスリランカ国は、熱帯性気候で年間を通じ気温の変化は少ない面積65,610Km2(北海道の約0.8倍)の島国で北部の平地と山岳地帯を取り巻く海岸平野地帯からなる。

人口は、18,315千人で全人口の74%をシンハラ人が占め、次いでタミル人が18.2%を占めている。

宗教は、シンハラ人の多くが仏教徒であり、タミル人はヒンドラー教徒が多い。

経済については、96年の1人当たりのGNPが760米ドルで、紅茶、ゴムを中心とする農林水産部門が大きく地位を占めているものの、そのGNP構成比は、82年に28.5%であったが、96年には18.4%と減少し、反面製造業の構成比が14.4%から21%と上昇している。また、サービス部門も増加傾向にある。

しかし、工業化の進展の方で道路、鉄道、港湾などの経済インフラ整備が国内資金のみでは間に合わず、外国からの援助・借入に頼っている状況である。これは、軍事費の割合が増加し、公共投資が少なくなっているためであるが、外国からの借入に対する利払いの増加がさらに公共投資を圧縮していることも一因と考えられる。

対外的には非同盟中立路線を基本としつつ、自由主義国、社会主義国を問わず、全ての国との友好関係に努めているのも軍事的解決に対する人権批判を回避するためと考えられる。我が国とは、伝統的に友好関係にあり、経済協力が実施されている。

我が国の援助の重点分野として、経済基盤の整備、改善、鉱工業開発、農林水産業開発、人的資源開発及び保健・医療体制の改善が考えられているが、近年環境分野での援助が重視されている。

スリランカ国は、首都はスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテであるが、旧首都コロンボが最大の都市で役所の多くがコロンボにある。

コロンボの下町には個人商店がぎっしりと並んで品物も豊富である。

コロンボの中央部には、国立博物館もあり、歴史関係のものや民族学関係のものが展示されている。また町中にはヴィハーラ・マハー・デーウィ公園があり、市民の憩いの場所となっている。

 

 

 

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