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そして10年後には、競合するのはオートバイだけではなく、自動車の方であろう。これは非常に重要なことである。

今すぐ一般的な結論に到達することは不可能である。しかし、今日、提言のために小さい結論を下したい。HCMCで、そして多分ハノイで同じく莫大な需要があることは明確である。しかし、どのように我々がそれを実現するかは、不明確である。JICA調査、ドイツの調査、フランスの調査、イギリスの調査等既存の調査は、何をするべきか、そしてどのようにするべきかを決めるために継続されるべきである。

 

2.5. 閉会挨拶 HCMC人民委員会 ヴィエト副委員長

 

友好的な雰囲気で行われた「HCMCにおけるマストランジット整備戦略セミナー」は成功であった。HCMC人民委員会を代表して、私は運輸次官の深遠な配慮と指導に感謝したい。同じく、日本総領事、JTCA理事長の友好的で協力的なスピーチ、そしてセミナーの全ての参加者に感謝したい。

このセミナーで、「都市交通システム開発と管理の必要条件」に関して、東京大学の家田教授の貴重な意見を聞いた。岩田鎮夫博士のプレゼンテーション「他国の経験を踏まえたHCMCにおけるマストランジット整備へのアプローチ」に耳を傾けた。これらは、調査や事業形成の次のステップに、有用な報告であると思う。また、このセミナーで計画・投資部、HCMC交通公共事業局、HCMC建築局、TEDI-South、ヴィエトナム鉄道ユニオン3等の代表者から、多くの簡潔な意見が出された。

人口、社会の、そして経済の分野での、急激な進展に追いつくために、過去の数年にわたり、市は都市交通状況改善に全力を注いだ。しかし、交通需要が急速に増加しているためラッシュ時の道路への過剰負荷は現在しばしば起こっている。市は、資金と物資不足のため、困難に直面している。この状況に対処するためには、交通事故や渋滞、公害を防ぐのと同時に交通需要に対応する継続的で近代的な方向性を指し示すべく、都市部のマストランジットシステムを早急に整備することに集中することが必要である。

近年、MOTとHCMC人民委員会は、この地域での開発事業を準備するための調査のガイドラインと政策を策定した。市交通都市公共事業局は、2020年まで及びそれ以降を目指し、都市鉄道計画やTEDI-Southによるバスによる公共旅客輸送2010などのマストランジット整備計画を策定した。MOTはTEDI-Southの協力者であるTUドレスデン大学の支援を受け地下鉄2路線のプレF/Sに対して助言や指導を与えた。このセミナーで、関係者はHCMCで公共交通が最優先地域で数年間以内に開発されることを考慮することに同意した。セミナー参加者は、同様に人口が現在500万から、将来900万人から1千万人に増加するHCMCで、マストランジットシステムを必要とするという分析と結論に合意した。

近代的な地下鉄とバスが、毎日の人々の移動を支援するための便利で快適で合理的な公共交通サービスのために、統合されることを含んでいる。このセミナーでは、都市交通の現況の問題点が明らかに識別された。また、特に日本の都市などの国際都市での対策事例に関してのプレゼンテーションもあった。加えて、公共交通整備が都市での地下鉄やバスルートを含める公共交通のための期待を一般化した。セミナーがHCMCでの最初の地下鉄整備に関するF/Sを推進する上で非常に役立つと思う。市はTEDI-SouthとJTCAが共同でセミナーを開催し、フォローアップ活動を準備することを支援した。

我々は、日本の専門家や会社と同様に、日本政府が公共交通事業、特に都市内での地下鉄整備事業のために貴重な援助と密接な協力を与えることを希望する。

今日のセミナーへの皆様の参加やご意見は、これから数年間、HCMCマストランジット整備のために貴重な貢献である。

 

 

 

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