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2.4.2. プレゼンテーション HCMC人民委員会 クオン建築局次長

 

都市計画と開発の政府機関を代表して、HCMCでの公共交通整備、特に公共マストランジットに関して少し述べたい。プレゼンテーションを聞いた後、私は日本のコンサルタントがHCMCにおける交通開発の絶対必要条件や交通問題で引き起こる渋滞のリスクやHCMCでの持続可能な発展への影響に関して認識していたことに気付いた。

現在求められているのは、オートバイ利用者をバスに移行させる方法である。これは非常に困難な業務となるであろう。現況では、利便性や料金面でバスシステムの整備はできない。実際、オートバイに対してHCMCではバスに競争力はない。HCMCでの状況を改善するには、鉄道システムのマストランジットシステム整備が必須であることは周知である。必要な投資は多大であるが、およそ100億(ドレスデン調査)、もしこの投資が何年かに分割できれば現実的である。一度完成すれば、交通渋滞は軽減され、多くの投資の魅力が出てくるであろう。

このセミナーの間、日本のコンサルタントの報告が十分で適切であることが分かった。彼らの現況の評価と提言ありがたく思う。強調したいのは問題の緊急性である。問題の解決は早ければ早いほど良い。我々は今実行するべきである。HCMCにおける鉄道システムの実施を何年か待ってしまうと、貴重な機会を逸し、市の良好な開発に役立てないかもしれないからである。

詳細な計画よりどちらかと言うと、HCMCにおける都市の交通開発のための戦略を策定することを勧めたい。戦略は計画とは違う。前者が明確な目的、行動計画、資金と実施機関を示す。実施機関や資金や責任ある機関が不在の詳細計画は意味がない。

 

 

 

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