日本財団 図書館


・公共交通としての車両も数年で2倍以上、約4万3000台も増えた。6万6000台が登録されているが、6000台は使用不能である。

・リマ市当局が正式に把握している公共交通の路線は572路線で、このほとんどが運営者が知り得た需要に応じて随時変更される。バス路線図を参照のこと。

・交通事故は週に26件と推定され、運転者のマナーの悪さや道路・信号の管理が十分でないことが原因である。さらに、公共交通機関の運転手や飲酒を管理する権限は薄弱で、関連する法律もきわめて寛大なものである。

・都市交通システムのもう一つの基本的な特質は、企業組織が不完全あるいは全く欠落していることである。交通機関の所有権はきわめて不安定であり、正式に設立された企業はほとんどない。

・1986年以来、市南部では10.3kmにおよぶ高速大量交通システムが建設されている。ヴィラ エルサルバドルの工業地区から南パンアメリカン ハイウェイのアトコンゴ インターチェンジまでをつなぐ路線である。現在までにまだ実際の運用に入っていないが、効果的に統合された都市バスサービスの提供をめざしており、総合的システム計画の先駆となっている。

リマにおける公共交通は80%近くの市民に利用されており、残りの20%はタクシーや自家用車などの私的交通手段を使っている。ペルーでタクシーが私的交通手段と見なされているのは、決まった路線を運行するのではないからである。リマでは一日あたりのべ1125万回の移動が発生している1。すべての移動のうち25%近くが市の中心部を通過し、これがひどい渋滞を引き起こしている。こうした移動はリマ市周辺の衛星都市を出発点とし、多くの場合目的地はリマ市の反対側にある。結果として人々は目的地に到着するまでに少なくとも1時間を費やさねばならず、汚染と騒音にさらされ続けることになる。

市内の公共交通車両は4万3000台と推定される。いくつかの路線を走る様々なタイプの車両からなり、乗客定員もピンキリである。

統計上は、これらの車両のタイプは乗客定員で分類される。オムニバスとよばれる大型バスは定員30人以上のバスを指す。マイクロバスあるいはクステルと呼ばれる小型バスは、定員16名から30名、さらにコンビと呼ばれるバンは12名あるいは15名の定員である。

こうした車両は次のようなシェアで公共交通の役割を担っている。

 

1 人口に適応される要素から計算したもので現在は150万に近く、毎年増加している。SOGELER & CalとMayor & CESEL Consultantsによる地下鉄網補完調査により求められたものである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION