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公共交通における車両の種類

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この表からわかるとおり、旅客車両には大型バスから中型・小型バス、大型・小型バン、乗用車まで、いくつかの種類があるが、コンビと呼ばれるものが一番多い。さらにモトタクシーと呼ばれる特殊な交通機関もあり、これは2名から4名を運べるように改造されたオートバイである。そもそもはジャングルや山岳地のような地方に起源のあるものだが、いまではリマでも作られている。離れた繁華街では非常に利用が多く、その結果数が急速に増えている。

最後に、自転車は数年前に利用が促進され、数ヵ所で自転車専用レーンも設置された。自転車は高価であり盗難も多く、さらに自動車や運転マナーの悪さからの危険も大きいので、利用は計画通りには進んでいない。

 

リマ市内の既存の主要都市交通における問題点

交通機関に使われている車両は非常に古いものが多く、たいていは15年、場合によっては30年使われているものすらあり、大気汚染や騒音が激しい。さらに機械的な故障も頻繁で、多くの交通事故の原因となっている。死亡事故の多くは、公共交通機関の運転に十分な経験を持たない運転者が引き起こすものである。同じ会社内のユニット間ですら競争は過酷で、より多くの乗客を獲得しようと競うあまり信号での遅延や通りでの競争を引き起こしている。

リマには次のような問題点が指摘できる。

・公共交通を利用する人たちは一日に数時間をバスの中で浪費している。今や座席の供給過剰が生じる程にバスの数が増えている。バンのような小型車両の増加は失業問題の結果であり、この問題の管理や解決は非常に難しい。なぜなら多数の働いている人だけでなく、彼らが養っている家族も巻き込む問題だからである。

・自家用車の所有者は、渋滞による遅れに不満を持っている。しかし、車の多くは運転手一人だけを乗せて走っているのであり、特にラッシュ時間帯においては、彼らこそが渋滞の原因を作っているのである。

・もう一つの問題は大気汚染の増加である。古い部品(特に公共交通車両)と管理がなされていない道路とが原因となって油や埃が燃えて汚染が起こる。新しいバスは高価すぎてほとんどのバス会社には手が届かないため、古い車両を使い続ける。

 

 

 

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