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国営の都市公共交通機関の発達

モロッコにおける国営の都市公共交通機関の発達

モロッコの国営都市交通は、1960年代に輸送量が低下した。政府当局と各団体は、将来はバス路線が都市交通として有効であるとの理解に基づき、国営公共交通の研究・開発を開始した。1964年、カサブランカ都庁は国内最初の国営バス路線の運営を始めた。その他の都市でも、1965年にタンジェ市、1968年にメクネス市、1971年にマラケシュとフェズ市、1977年にサフィ市、1978年にアガディール市が導入した。

 

都市公共交通の私有化と都市交通の需要を満たす適応性の再構築・再生

(摘要)

交通の需要と供給のバランスを図るため、民間の開発権者による再構築・再生の動きがある。カサブランカメトロポリタン地区では、このプログラムから大量公共交通システムの実現を目指した将来性のある取り組みが始まっている。

モロッコのほとんどの都市は、現在の大都市への人口集中とは別の形態で都市が成長すべきであるかどうかの問題に直面している。この点、新しい都市交通は汚染を削減し、よりよい住環境を作り出すと期待される。このプログラムは住民利益のための有望な事業実施・発展の第一歩である。

現在モロッコ政府は民間資本を都市交通事業に呼び込もうとしている。民間セクターの参加が事業を進展させると考えられるからである。民間の投資が非常に歓迎される例としては、マラケシュでこの6年間にバス路線の公営から民営への所有権の委譲が計画されており、海外企業が選択される予定のケースがある。

政府や地方自治体も民間の開発権利者による活動を支援している(スペインの企業が70台のバスを購入して17路線を運営している)。タンジェでも、モロッコの企業が運営を行っている。

公共交通への民間セクターの参入が増えると同時に、交通サービスに投資し運営してきた政府の役割も変化しつつある。公共投資も経済効率のための公共交通の需要や、利用者のニーズにあったものが求められている。

 

都市の土地利用と交通計画

発展途上国においても都市部で急速な人口増加を経験するにつれ、都市の土地利用と交通計画の統合がますます需要になってきている。交通システムを都市形成に統合するための概念的なアプローチが必要となるであろう。

計画が行き届いた都市と自然発生的に拡大してきた都市では大きな違いが見られる。よく計画された都市の単位面積あたりの雇用や人口は、無計画に発展してきた都市の6倍から10倍にもなるという。

 

 

 

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