日本財団 図書館


地盤が粘土質の赤土であるため、雨が降ると流れやすく舖装の痛みが激しい。訪問時期が雨季の終わりごろであった影響もあろうが、環状道路部分を除き全般的に舗装状態が悪かった。モーニングマーケット周辺の交差点は信号制御されているものの、低い位置に設置されているため視認性が悪かったり、壊れているものがあったりして、制御内容・管理状態ともに低レベルである。統一された標識・標示系統、交差点のチャネライゼーションも整備を始めたばかりであり、JICAの専門員が指導している最中である。

市内中心部ランサン通りにある噴水はラオス国道の基準点である。幹線道路沿いの住所はすべてここからの距離で示されている。

 

3.2 既存交通調査

ビエンチャンで実施された都市交通関連調査には以下のようなものがある。(以下、ドナー組織、計画名、実施年度)

 

(1) JICA、ビエンチャン都市交通網整備計画、1989

日本国政府1988年度予算により実施されたバス無償供与(50台)に合わせて、ラオス国の陸上公共輸送機関であるビエンチャンバス運輸公社の関連施設(バスターミナル、整備工場)の整備拡大と、車両整備能力の向上を目的として実施された。路線計画などは実施されていない。

公社に対する我が国からの車両援助(56台)は1999年にも実施されている。

 

(2) UNDP/Habitat、ビエンチャン開発マスタープラン、1996

ビエンチャンの都市計画、居住計画、上下水道供給計画、建築規制を作成し、1996年に承認されたもの。目標年次は2010年である。ただし、これには道路交通需要の伸びが考慮されておらず、関係者から見直しの声が強い。

 

(3) JICA、ビエンチャン首都圏道路改修事業、2000

ビエンチャンの幹線であるルアンプラバン通り、タドゥア通りを調査対象として、バイパスの設置、舗装改修などを行う。ラオス国初の有料道路の建設も計画している。2000年4月にはビエンチャン首都圏、及び、全国国道を対象とした道路交通量調査を行っている。

 

(4) その他

構想段階であるが、バス需要の高い路線にトロリーバスを導入しようという議論がラオス国の運輸局関係者の間で行われている。これは、自国の水力エネルギーの活用と石化エネルギー供給の不安定さが背景にある。優先度の高い既存バス路線は以下の通り。

北東部:バスターミナル→ドンヌン→ドンドック大学

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION