日本財団 図書館


また、教官レベルの育成が第一に必要である。さらには、ラオス航空の運航、航空機整備及び空港業務などの人材を養成するため、DCAとしても積極的に支援する意向である。

新CNS/ATMシステムについては、周辺国く(特にタイ)との協力が不可欠であり、自国で整備するのか、地域としてまとまった取り組みをするのか、方針・計画を定める必要がある。

 

4.4.6 我が国ODAによる援助の可能性

(1) 援助の可能性

民間航空訓練センター(CATC)の施設が老朽化しており、訓練施設として機能していないことから、施設の整備、訓練機材の調達等日本の援助は有効である。特に、周辺国のレベルに合わせること、また、山岳地域が多く、潜在的な航空事故の可能性の高い状況にあって、航行援助施設の整備とともに航空管制実務能力の向上が必須な状況にあることから、人材育成に関する我が国からのハード・ソフト両面にわたる援助は期待が大きい。

現在は、要員養成の需要が低いものの、人材育成5カ年計画を適切に実施するために海外からの支援を要望している。特に、レーダー航空管制システムをフランスの援助で整備しており、レーダー管制実施要員の養成は必須の状況であることから、我が国からの技術協力が期待されている。

また、航空管制部門のみならず、航空機検査など航空行政全般にわたる体制強化、さらには、航空会社経営(運航管理、航空機整備を含む)、空港の運営管理などの分野に関して、体制の強化と要員養成についての援助も期待されている。内陸国であって山間地が多く陸上交通網の整備が乏しいラオスにあって、航空は交通手段として期待が大きく、国内需要は少ないものの、生活に不可欠のインフラ設備として整備が必要であり、我が国からの援助が最も必要と期待されている。さらに、大使館職員及び観光客などの邦人の移動手段として、安全で信頼性のある航空交通システムが必要であり、かつ、今後、ラオス国として観光を柱にした産業育成が重要である点から、我が国からの航空分野への援助(ただし、航空機材の供与以外の援助方策)の有効性かつ優先度は高いと考えられる。

 

(2) 援助の方法

施設整備、機材設置については、無償資金協力によるのが妥当である。また、航空管制官等の航空保安業務の運用及び技術要員の育成への技術指導、並びに訓練計画及び訓練・試験制度の策定、訓練方法の適正化を支援する専門家の派遣等が考えられる。

航空需要は、施設規模及び交通量とも、将来的にも小さいと考えられるが、山岳地域の多いラオスでは安全性の向上のため、レーダーシステム等の高度な航空管制施設の整備が必要であり、そのため要員養成の需要も高まっている。

基礎訓練機能は各国で整備するものの、高度な専門理論・技能の習得に関しては、海外の訓練訓練への派遣の支援、周辺国をまとめて、地域として訓練施設を整備するなど、効果的な援助が考えられる。具体的には、第3国研修(マニラCATC等)、人材育成プログラムによる海外訓練機関への派遣支援、訓練協力体制作りのためのワークショップの開催、プロジェクト方式技術協力による訓練体制の整備などが考えられる。周辺国との航空管制の関係では、ベトナム、カンボジア、タイとのつながりがあり、地域的には同一水準のサービスの提供が期待されることから、つながりの深いベトナム等とまとまった訓練体制、施設整備を行うことは有効である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION