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(2) 施設概況

校舎は、2階建ての管理棟と平屋の講義棟がある。管理棟には、飛行場管制実習、通信実習室もある。また、講義棟には、教室が4つと語学実習室(LL装置)がある。講堂、資料室等の関連施設は整っていない。

 

(3) 訓練機材

航空管制訓練装置としては、飛行場管制卓と滑走路を模した飛行場管制実習装置があり、マニュアルで模擬航空機を動かすのに合わせ管制指示を通信する方法で基礎的な訓練を実施している。また、マニュアル管制訓練用(ノンレーダー進入管制、航空路管制)の管制卓、パイロット卓があるが故障した状態にある。その他、ヘッドセット、通信装置などの訓練用機材が設置されているものの、いずれも旧式で老朽化しており、故障個所も多いとのことであった。

従って、ほとんどの訓練用機材は痛むにまかせたままであり、不良品となっている。交信訓練用のヘッドセット機器が実習にかろうじて使える状態にある。

その他、航空情報通信訓練のパソコン端末装置が若干設置されている。これは、汎用的な用途に使われ、訓練としては操作習熟が主である。

また、講義テキスト作成のための資料類、コピー機等の備品及び消耗品は不良または不足しがちな状況である。

 

4.4.5 将来計画

(1) 現状の問題点

施設、訓練機材とも、旧式であったり、故障したりとほとんど実習の用に供することができない。CATCとしては、基礎的な理論を教授する座学が中心となり、実用的な訓練にはあまり役に立たない状況にある。また、テキスト類の整備が遅れ、最新の理論、技術の教育ができていない状態にある。

レーダーシステムが導入され、レーダー管制業務が実施されるよう、施設の整備が進められており、航空管制官の訓練は必須の状況にある。実用的な訓練は、関連施設と同時に整備されたレーダー管制シミュレーター訓練装置(レーダー管制運用室にある)により、少人数ずつ実施されることになるが、運用開始に当たって、ある程度(約15人)の運用要員の養成のため、まとまった訓練が必要である。さらに、運用及び維持技術に関しての基礎訓練の充実が不可欠である。また、レーダー管制導入に伴う訓練・試験制度の確立が必要である。

新CNS/ATMシステムの実施に対する準備がほとんどなされていないなど、要員養成とともに実施組織・制度、運用基準等のソフト面の改善を計画的に実施する体制の確立が必要である。

 

(2) 将来整備計画

現在の訓練施設(CATC)を改善するような計画は現時点ではない。しかし、DCAとして、航空交通業務の全体に係る専門知識・技能を備えた要員が不足しており、2001年からの人材育成5カ年計画が策定されている。海外の研修機関を利用した訓練とともに、CATCでの訓練実施能力を高めるため、訓練機材、教材、研修用備品及び消耗品等の整備、調達が必要との認識であった。

 

 

 

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