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なお、航空保安業務の実施レベル及び教育訓練レベルが低いことから、より高度な専門理論及び技能を習得させるため、指導的な職員を日本のJICAプログラムなど外国からの技術援助を利用して海外の訓練機関(シンガポールSAA等)に派遣している。

 

4.2.3 教育訓練の内容

(1) コース・プログラム

CATCでは、以下のコースにおいて理論(座学)、実技(実習)を実施している。

□航空管制コース

□航空輸送コース

□電気技術コース

□航空英語コース

航空管制コースは、新人の採用が少ないことから、再訓練を含めて必要に応じて実施されている。航空管制官のみならず、通信、情報、技術の要員に対して基礎理論などの座学、簡単な通信実技が実施される。航空英語コースは、現在、需要が多く、管制官、維持技術官(エンジニア)、一般空港職員(空港公団に属す)の語学訓練に利用されている。20名程度のクラスでLL装置を使った会話訓練を含めたプログラムが実施されている。

これらのコースに対して、新人(3ヶ月)、アドバンス/リフレッシャー訓練(2ヶ月)のプログラムが組まれている。

 

4.2.4 施設概況

プノンペン空港の管制塔庁舎に2つの訓練室がある。一つは、通信実習室で旧式の簡単な通信装置(ヘッドセットとスイッチパネル)が備えられており、10名程度の訓練生が受講可能である。もう一つは、座学及び語学訓練室で同様に旧式ではあるがLL装置も備えられ、20名程度の訓練生が受講可能である。

これ以外に、訓練機器と言えるようなものは、現場の運用施設を含めてどこにも備えられていない。

 

4.2.5 将来計画

(1) 現状の問題点

現状、訓練施設及び体制が貧弱で、将来的な航空交通の発達に伴う人材育成に関する将来計画は何も立てられていない。航空管制施設の改善計画に含めて、それに付帯する要員訓練用設備の設置が検討されているにすぎない。整備計画はあるものの、国として統一的な取り組みが何もできていないのが実状である。基本方針を固める、または基本計画策定の段階であり、計画としてはいろいろと検討(または海外のコンサルタントから提案)されているものの将来計画として確立したものはない。施設整備というよりは人作りが必要であり、組織・制度作りを第一に行うことが重要である。国家政策として、実際の空港及び航空路施設、航空管制施設の整備が優先的な課題であるが、マスタープランの策定がまず求められる状況にある。

 

 

 

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