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また、ラオス航空がバンコクとの間に国際線を運航している他、他国の航空会社によって、バンコク、プノンペン、ホーチミンとの間に路線が結ばれている。さらに、ホンコンとの間に国際路線が再開される予定になっている。国内線に関しては、山間地の空港が多く、航空保安施設が貧弱、また、天候の影響を受けやすいため安定した運航がなされていない。

空港としては、国際空港が1、国内空港が13、計14の民間空港がある。国内空港は定期便が就航しているところもあれば、北部の山間地域の空港では必要に応じ利用されているところもある。ヴィエンチャン国際空港は、首都空港であり、唯一の国際空港として内陸国であるラオスの表玄関となっている。日本の無償援助によって空港ターミナルビル、管制塔及び無線航行援助施設が整備され1998年に供用が開始された。また、同時期に滑走路及び航空灯火もノルウェーの援助によって整備され、中型機クラスまでのジェット旅客機が就航するようになった。さらに、フランスの援助により、レーダー管制施設が整備され、早い時期に運用が開始される予定になっている。

 

(2) 航空輸送概況

ラオス内の航空交通量は少なく、年間約3,900機*(定期便出発機のみ、1997年)、国際線のみでは年間約800機*(同)程度の交通量がある。

ラオスを発着する国際線の交通量は少ないものの、上空通過する交通量は多く、南部を横断する東アジアの大動脈である国際航空路A1で日当たり100機以上、北部の主要航真空路(B465)であるマンダレー(ミャンマー)〜ルアンプラバン(ラオス)〜ハノイ(ベトナム)間では日当たり30〜40機ある。

現在、我が国からの直行便はなく、バンコクから乗り継いで出入しているのが大部分である。日本人渡航者は少なく、年間4,735人**(1999年)である。

* 出典:ICAO航空輸送統計(1997年)

** 出典:出入国管理統計年報(平成12年版)

 

3.4.3 航空保安業務/航空管制業務

(1) 実施体制及び業務の内容

ヴィエンチャン国際空港の管制塔庁舎に航空管制センター(ATCC)が置かれている。現在、ATCCは、ヴィエンチャン国際空港の飛行場管制、進入管制に加え、ラオスFIRに関する航空路管制を行う唯一の管制機関である。また、関連するHF対空通信、AFTN情報業務及び航務業務、並びに関連する設備機器の維持業務が実施されている。進入管制、航空路管制に関しては、現在、マニュアル(ノンレーダー)管制が実施されているが、ヴィエンチャン空港(ASR/SSR)及び南部に国内をほぼカバーする航空路(SSR)のレーダーシステムが整備され、運用開始の準備が進められている。それに合わせて、現在、ヴィエンチャン飛行情報センター(FIC)と呼称されているものを航空路管制所(ACC)に格上げする予定となっている。

現在、ヴィエンチャンATCCでは、4シフトによる交替勤務体制をとっており、航空管制官(ATC)、航空管制通信官(COM)、航空情報官(AIS)、航空管制技術官(NAV)を合わせ総勢50名程度の職員数であり、一方、地方空港全部では20名程度の体制である。

 

 

 

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